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豪州水素ミッション、クイーンズランド州グラッドストーンのプロジェクト視察(オーストラリア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月2日 0時35分

ジェトロは9月9日から11日の間、日本のエネルギー企業やエネルギー関連機器メーカー、公的機関などの参加者約50人からなる「オーストラリア水素ビジネスミッション」を派遣し、11日にクイーンズランド(QLD)州グラッドストーンを訪問した。9日にはニューサウスウェールズ(NSW)州ニューカッスル(2024年9月20日記事参照)、10日はQLD州ブリスベンを訪問していた(2024年9月27日記事参照)。

グラッドストーンでは、グリーン水素、アンモニアの生産・輸出施設建設予定地のCentral Queensland Hydrogen Project(CQ-H2、注1)などを視察したほか、グラッドストーン港の水素パーク用地の見学、クイーンズランド州政府関係者やグラッドストーンビジネス関係者とのラウンドテーブルを行った。

CQ-H2は、QLD州の電力公社スタンウェルと複数の日本企業、シンガポールのエネルギー企業によるグリーン水素、アンモニアの生産・輸出プロジェクトだ。オーストラリア政府による価格差支援策「ハイドロジェン・ヘッドスタート」(注2)の公募プログラム第1ラウンドの最終候補にも選出されている。ミッション一行に紹介されたプロジェクト計画は、(1)太陽光発電施設に近いプロジェクト用地で再生可能エネルギーからグリーン水素を製造、(2)パイプラインでグラッドストーン港に運搬、港で液体水素、アンモニアに変換、(3)日本やシンガポールに輸出するというもの。また、アルミナ製造工場など地元の水素オフテイカー(注3)へのグリーン水素の供給も計画している。

写真 CQ-H2施設建設予定地を訪問するミッション参加者(ジェトロ撮影)

CQ-H2施設建設予定地を訪問するミッション参加者(ジェトロ撮影)

クイーンズランド州政府関係者やグラッドストーンビジネス関係者とのラウンドテーブルでは、グラッドストーンのマット・バーネット市長とミッション参加者の交流が行われた。その他、英国・オーストラリアの資源大手リオ・ティントは、自社のアルミニウム産業と鉱業での脱炭素化について説明した。住友商事と同社で進めているアルミナ精錬工程で天然ガスを水素で代替するプロジェクトを例に挙げ、「エネルギー集約型産業の脱炭素化は難易度が高く、パートナーを探している。日本とオーストラリア両政府や日本企業とオーストラリア企業とのつながりは非常に大切だ」と述べた。同ラウンドテーブルでは、ほかにグラッドストーン港やセントラル・クイーンズ大学、グラッドストーンの現地のビジネス関係者が出席し、ミッション参加の日本企業も同地域の産業の脱炭素化と産業副生物の有効活用などに関する具体的なアイディアを含めた活発な意見交換が行われた。

(注1)QLD州が所有する電力公社スタンウェルと岩谷産業、川崎重工、丸紅、関西電力、シンガポールを拠点とするエネルギー・インフラ企業のケッペルのプロジェクト。

(注2)連邦政府による20億オーストラリア・ドル(約2,000億円、豪ドル、1豪ドル=約100円)規模のグリーン水素・グリーンアンモニア大規模プロジェクト支援策。電解層設備容量が最大1,000メガワット(MW)のグリーン水素プロジェクトを2~3件選定し、市場価格と生産コストの価格差に対して支援を行う公募プログラム。

(注3)サービスを最終的に購入する者、引き取り手。

(板谷幸歩)

(オーストラリア)

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