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インド議会下院選、タミル・ナドゥ州は野党連合完勝でBJPは議席獲得ならず(インド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月11日 0時25分

添付資料PDFファイル(179 KB)

インド議会下院選挙が6月4日に開票され(2024年6月7日記事参照)、タミル・ナドゥ(TN)州では、州政権与党のドラビダ進歩連盟(DMK)と国民会議派(INC)を中心としたインド国家開発包括同盟(INDIA)が全議席(39議席)を獲得した。同州議会の野党の全インド・アンナ・ドラビダ進歩連盟(AIADMK)は有していた1議席を失った。

中央政府与党のインド人民党(BJP)はTN州で1議席も獲得できなかった。BJPは2019年の前回選挙ではAIADMKと連合したが、今回は各種報道などでBJPの圧倒的な優勢が伝えられていたことなどから、BJPはAIADMKとたもとを分けて戦った。TN州内の多くの選挙区ではAIADMK候補が次点だったことから、BJPがAIADMKと連合していれば、議席を獲得できた可能性がある。2024年に入って選挙戦が始まる前後でBJP圧勝の予測情報が同党に強気の判断をもたらし、結果としてそれが裏目に出たかたちだ。

INDIAが獲得した39議席の内訳は、DMKが22議席、INCが9議席、その他諸派が合計8議席だった(添付資料表参照)。今回の選挙結果を受けて、TN州政権与党のDMKは、同党が州政策運営の信任を得たとして、2030年までに州経済を1兆ドルに成長させることを目標に、企業誘致などを継続していくものと思われる。

一方、中央政府との関係では、DMKはBJP政権と緊張関係にある。中央政府のTN州向け国家プロジェクトや州をまたぐ問題について、州政権を持つDMKが中央のBJP政権へ不満を表明することが度々見られた。今後は(1)BJPが下院で単独過半数を確保できなかったこと、(2)地域政党とはいえ、DMKが中央議会下院でも5番目の勢力となり、INCと連携することから、BJPを中心とする国民民主連合(NDA)政権はTN州の主張を無視できない状況になったといえる。

今回の下院選挙の結果について、国外とのビジネスを手掛けるビジネスマンは「NDA(BJP)は2026年のTN州議会選挙で議席獲得を目指している。今回の下院選挙では、議席こそ獲得できなかったが、PR効果はあっただろう」とみる。

チェンナイで手広く事業を展開するインド人経営者は「ビジネスはビジネス。中央政府や州政府に支援を求めることがないのであれば、今回の選挙結果について慌てることはない」とコメントした。

(白石薫)

(インド)

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