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ロンドン最高級ホテルのバーに河内晩柑が登場(愛媛、英国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月18日 0時30分

6月初めから6月末まで、世界最高峰とされる英国・ロンドンの有名ホテル「ドーチェスター」のバーで、「今月のカクテル」として愛媛県の河内晩柑(かわちばんかん、注1)の欧州向けブランドmisho(ミショー)を使用したカクテルが提供されている。

河内晩柑は、まろやかな苦みと、独特のさわやかさが特徴の柑橘種で、果汁豊かで皮にも香りがある。生で果肉を食べるほか、柚子(ゆず)のように果汁・皮を酒類と合わせることや、魚・野菜などの調味にも好適とされる。欧州に青果を輸出するには、残留農薬の基準、害虫(ミカンバエ)の調査、出荷前の防疫処理など厳しい規制がある(注2)。産地の愛南町では欧州向けの農地区画を用意し、規制への対応を進めてきた。mishoのブランド名で、2022年度に欧州へのテスト販売を行い、2024年春にはトン単位の出荷も成功させ、フランス、スイス、英国で高級果実としての取り扱いが始まっている。

5月16日には、ロンドン市内のカクテルバーで開催されたバーテンダーなどプロ向け蒸留酒マスタークラス・イベントで、オープニングドリンクにmishoが用いられた。6月の「今月のカクテル」にmishoを採用した「ドーチェスター」のバーテンダー、レオ・スロヴェクス氏が用意した。イベントの参加者には、日本食材には詳しいが河内晩柑は初めての人もいた。参加者の1人、ワイン専門家のルイサ・ウェルチ氏は「味の純粋さ、カクテルに与えるジューシーさ、すっきりしたやさしいキレが気に入った。より入手しやすくなれば間違いなく大きな関心を集めるだろう」と述べた。

写真 (左)mishoを手に取るバーテンダー、(右)mishoとジンのカクテル(ともにアバンチ・アジア提供)

(左)mishoを手に取るバーテンダー、(右)mishoとジンのカクテル(ともにアバンチ・アジア提供)

写真 イベントで紹介されたmishoダイキリ(アバンチ・アジア提供)

イベントで紹介されたmishoダイキリ(アバンチ・アジア提供)

写真 収穫前の河内晩柑(ジェトロ撮影)

収穫前の河内晩柑(ジェトロ撮影)

ロンドンを中心とした高級品市場で日本産高級果実を扱うアバンチ・アジアのゲイリ・ファン最高経営責任者(CEO)は、ジェトロの招きで3月に生産地を訪れJAなどと商談を行い、河内晩柑の可能性を高く評価した。同氏は、5月のイベントでmishoは参加者に強い印象を与え、カクテル材料として有望だとした。

愛南町では、輸出量増加のため欧州向け園地を拡大した。欧州市場での高級果実・果汁として浸透が期待される。

(注1)熊本県(現・河内町)で発見された品種で、現在は約7割が愛媛県で生産される。晩柑(ばんかん)とは、収穫期が(旬の冬よりも)遅い柑橘(かんきつ)の総称で、河内晩柑は春から夏に旬を迎える。河内晩柑に特異的に含まれる機能性成分(オーラプテンなど)には、認知症などの予防効果があることが近年の研究で分かっている。

(注2)青果物の輸出規制は、ジェトロ「日本からの輸出に関する制度」(品目別に見る)「青果物」参照。

(福島美夏、林伸光)

(愛媛、英国)

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