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リマ空港新ターミナルへの移行、2025年1月29日に延期(ペルー)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月8日 0時20分

ペルー運輸通信省(MTC)は10月31日、リマ空港の新ターミナルの使用を2025年1月29日午前6時から開始すると発表した。当初12月18日の使用開始を予定していたが、準備期間を確保するため、1カ月以上遅らせた(2024年9月18日記事参照)。

MTCはプレスリリースで、万全の体制で新ターミナル移行に向けた準備を進めており、利用開始の初日から新ターミナルの全機能が利用できると発表した。また、警察の協力を得て、新ターミナルの入り口につながる周辺道路に、当面の間は24時間態勢で警察官を配置して、通行車両の混乱を避けるとともに、安全を確保する対策を講じるとしている。

業界団体は、それでも円滑にターミナルが移行されるか懸念を示し、航空・旅行業界関係者の不安は払拭されていない。地元ラジオ局エレペーペーは10月31日、同日時点で新ターミナル建設工事の進捗度は90%と報じた。また、2本の滑走路の状況確認と、航空機の安全確保のために使用される新管制塔のガラスが夜間などの視覚性に問題があるとされ、公共交通施設投資監督庁(OSITRAN)から認定を受けたガラスに入れ替える工事を完了させたばかりと伝えた。

建設工事の進捗とは別の問題も浮上している。MTCは国際線の利用者が出国時に使用する移民局の出国審査専用スペースが現行ターミナルより約4割減になることを明らかにした。現行ターミナルが混雑している状況にもかかわらず、面積を減らすことについて、ラウル・ペレス運輸通信相は「これまでペルーの空港では使われていない最新の技術を用いた機器で出国審査を行う予定で、使用する機材は利用開始日までにそろうことになっており、混雑することはない」と説明している。

ペルーに国内線と国際線を乗り入れる航空会社で構成するペルー国際航空運送企業協会(AETAI)のカルロス・グティエレス事務局長は「空港施設の更新の際、他国では一般的に半年以上前から実施される航空会社ごとの運用テストがまだ行われておらず、全体的に準備が遅れている」と指摘する。全国観光会議所(CANATUR)は2025年3月30日まで開始を延期するよう申し入れを行っている。

写真 新ターミナルの移民局スペースの工事(9月4日、ジェトロ撮影)

新ターミナルの移民局スペースの工事(9月4日、ジェトロ撮影)

(石田達也)

(ペルー)

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