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シンガポールやインドなど5カ国の決済システムを相互接続へ(シンガポール、インド、マレーシア、フィリピン、タイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月11日 0時15分

国際決済銀行(BIS)は7月1日、各国・地域の即時決済システム(IPS、注1)の相互接続の標準化を目指す「プロジェクト・ネクサス」の第3フェーズを成功裏に終えたと発表した。第4フェーズでは、シンガポール、インド、マレーシア、フィリピン、タイの即時決済システムの相互接続に取り組む。

BISは2019年、シンガポールに「BISイノベーション・ハブ・センター」(注2)を開設した。同行はプロジェクト・ネクサスの第3フェーズで、欧州中央銀行の決済システム「TARGET即時決済(TIPS)」、マレーシアの「リアルタイム小売り決済プラットフォーム(RPP)」とシンガポールの銀行間決済システム「即時安全送金(FAST)」との間の試験相互接続に成功した。この成功を受けて、シンガポール通貨金融庁(MAS、中央銀行に相当)、インドネシア中央銀行(BI)、タイ中央銀行(BOT)、マレーシア中央銀行とフィリピン中央銀行(BSP)は2022年11月、即時決済システムの相互接続に向けた覚書(MOU)を締結した。BISイノベーション・ハブ・センターは同5行と、相互接続のための包括的な計画、ガバナンスの枠組み、商業化モデルなどの立案に取り組んでいた(2023年11月24日記事参照)。

同プロジェクトの第4フェーズでは、MAS、マレーシア中央銀行、BSP、BOTや、各国地場IPAS事業者が、即時決済の相互接続に取り組む。また、インド準備銀行(RBI、中央銀行)も同プロジェクトに参加する。インドとシンガポールは2023年2月に相互送金システムの接続を開始するなど連携を強化してきた(2023年11月24日記事参照)。RBIの参画により、世界最大のIPSであるインドの電子決済システム(UPI)の利用者との相互接続が実現する可能性がある。同5カ国の決済システムの相互接続の実現の時期は、現時点では不明だ。

国境を越えた国際決済は現在、決済システム事業者がそれぞれの国・地域について独自の接続を構築している。ネクサス・プロジェクトは、各国・地域の決済システム事業者がネクサスのプラットフォームに接続するだけで、各国・地域との即時決済を効率化することを目指している。同プロジェクトが実現すれば、多国・地域間の即時送金が急速に加速すると期待されている。

(注1)コルレス銀行などの仲介業者を介さずに、銀行間で直接送金を処理するシステムのこと。

(注2)BISの先端技術研究部門で、「金融関連技術に関する重要な潮流について特定し、深く研究を行うこと」「金融技術革新について各国中央銀行のネットワークの中枢として機能を果たすこと」などを目的とする。シンガポールのほか、香港、スイスに拠点を置く。

(本田智津絵)

(シンガポール、インド、マレーシア、フィリピン、タイ)

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