世界銀行、2021年の東アジア・大洋州地域のGDP成長率見通しを上方修正(アジア、ASEAN、中国、ベトナム)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年1月14日 9時10分

添付資料PDFファイル(238 KB)

世界銀行は1月5日発表の「世界経済見通し」(2021年1月6日記事参照)で、2021年の東アジア・大洋州の新興・途上国・地域の実質GDP成長率見通しを7.4%とし、2020年6月の前回発表の6.6%から上方修正した(添付資料表参照)。2020年の経済成長率についても、前回発表より0.4ポイント高い0.9%とし、2022年については、5.2%との予測を示した。

同行は、2020年の同地域の経済について、新型コロナウイルスの感染拡大が与える影響は国・地域によって不均一だったとし、感染拡大を効果的に抑制した中国(2020年の成長率:2.0%)とベトナム(2.8%)では、生産と輸出の再開に加え、公共投資の後押しにより成長が拡大したとした。その他の地域は、ロックダウンの長期化により最悪の落ち込みを経験したとした。特にフィリピン(マイナス8.1%)では国内の大規模な感染拡大、マレーシア(マイナス5.8%)などでは国内政策の不確実性、タイ(マイナス6.5%)などでは、不確実性に加えて、観光産業に依存する経済構造が、それぞれロックダウンの長期化と相まって経済が悪化した、と指摘した。

2021年は、ワクチンの供給の遅れが経済回復の下振れリスクに

2021年の同地域の経済については、中国(2021年の成長率予測:7.9%)の回復が成長を牽引すると予測。また、パンデミック(感染爆発)を抑制したベトナムは6.7%と予測した。一方で、中国以外の地域は、2021年後半までの新型コロナウイルスによる持続的な被害を反映して、パンデミック前の経済を下回ると予測されている。特に、世界的な観光産業の低迷によって荒廃したフィジーなど太平洋島しょ国の経済は、2021年はパンデミック前をはるかに下回る経済成長となる、と予測した。

なお同予測は、2021年の第1四半期に主要経済国で、その後、小規模な新興市場および発展途上国で効果的なワクチンが発売されることを前提としている。パンデミックの長期化や、ワクチンの供給が遅れるなどした場合、2021年の同地域の成長は5.4%にとどまる可能性がある、と指摘した。

(三木貴博)

(アジア、ASEAN、中国、ベトナム)

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