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バイデン米政権、重要インフラのセキュリティーと強靭性を強化する安全保障覚書を発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月2日 14時10分

米国のバイデン政権は4月30日、重要インフラのセキュリティーと強靭(きょうじん)性に関する国家安全保障覚書(NSM)を発表した。2013年2月に発令された過去の大統領政策指令(Presidential Policy Directive)を置き換えるもので、安全で機能的かつ強靭な重要インフラの強化・維持のため、国家の一致団結した取り組みを推進することを目的としている。

NSMでは、重要インフラの機能不全や破壊は、国家安全保障や経済安全保障、また公衆衛生などに壊滅的な影響を与えるとしている。その上で、米国は重要インフラに対する非国家主体の悪意ある行動を容認、あるいは可能にする国家との戦略的競争の時代に直面しているとし、重要インフラ強化の必要性を強調している。

バイデン政権が同日に発表したファクトシートによると、NSMは次の点を規定する。

国土安全保障省(DHS)に、米国の重要インフラの安全確保に向けた政府全体の取り組みを主導する権限を与え、サイバーセキュリティー・社会基盤安全保障庁(CISA)が国家コーディネーターとして機能する。DHSの長官は、重要インフラに対する国家リスク管理計画を2年ごとに大統領に提出することが義務付けられる。
2023年国家インテリジェンス戦略に示された目標に基づき、米国のインテリジェンス機関に対して、連邦政府省庁、州および地方のパートナー、重要インフラの所有者および運営者と、情報の収集、共有などを行うよう指示する。重要インフラの民間の所有者や運営者が、国家の重要な資産やシステムを狙う敵対者に対する最初の防衛線となることが多いため。
16の重要インフラ分野と、各分野のリスク管理機関(SRMA)として指定される連邦政府の省庁や機関を再確認する(注)。
国家サイバーセキュリティー戦略2023年3月14日記事参照)に沿って、重要インフラ分野と関連する分野に求められるセキュリティーと強靭性の要件について、最低限の基準を引き上げる。

今回のNSMの発表を受け、DHSのアレハンドロ・マヨルカス長官は同日、NSMは「重要インフラが直面する複雑かつ頻発する脅威によりよく立ち向かうため、DHSに行政機関のパートナーとともに政府の取り組みを主導する権限を与える」との声明を発表した。

なお、バイデン政権はNSM発表の前日の4月29日に、重要インフラで使用される人工知能(AI)の安全な開発や利用についての指針策定、DHSや重要インフラ事業者に助言を行うAIセーフティーセキュリティー委員会の立ち上げなどが完了していることを発表している(2024年5月1日記事参照)。

(注)重要インフラは、化学、商業施設、通信、重要製造業、ダム、防衛産業基盤、緊急サービス、エネルギー、金融サービス、食料・農業、政府サービス・施設、医療・公衆衛生、情報技術、原子炉・材料・廃棄物、輸送システム、上下水道システムの16分野が指定されている。それぞれの分野ごとに、DHS、国防総省、エネルギー省などとSRMAが指定されている。詳しくはNSM本文を参照。

(赤平大寿)

(米国)

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