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フーシ派、紅海でトルコ船舶を攻撃(トルコ、イエメン、イスラエル、パレスチナ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月22日 11時0分

トルコ企業オラス海運(Oras Denizcilik ve Ticeret)の貨物船(パナマ船籍)がイエメン沖を航行中にイエメンのフーシ派によるミサイル攻撃を受けたと伝えられた(11月21日付国営アナドル通信)。各種報道によると、11月17日と18日、エジプトのポートサイードから紅海を通ってパキスタンのビンカシム港に向かう途中、フーシ派からミサイル攻撃を受け、同社は声明で、攻撃は船舶から離れた海へ落下し、船舶への重大な被害や死傷者はいなかったとしている。

フーシ派民兵の一派(アンサルーラ運動)がパレスチナ人とレバノン人、その抵抗運動への支援を表明し、その活動の一環として今回の弾道および海上ミサイルの攻撃を行い、攻撃が達成されたと声明を出した、と報道されている(11月19日付「Doğruhaber Gazetesi」)。また声明の中で、船舶がフーシ派の数度にわたる警告に応じず、同時にオラス海運がイスラエル占領下の全パレスチナ関連港への入港が禁止されているにもかかわらず、その禁止令に違反した容疑があるため標的にした、としている。

トルコ物流関係者との聞き取り(2024年10月)によると、フーシ派はイスラエル支援関連の船舶を攻撃するとしており、トルコ船籍および関係船舶は狙われない(2024年10月1日付地域・分析レポート参照)ものの、同時に、船舶主、業務内容、寄港地履歴、雇用社員など、渡航船舶のあらゆる情報を徹底的にスクリーニングし、イスラエルとの関係の有無を精査しているという。一方、トルコはイスラエルとの貿易を全面禁止しているものの(2024年5月7日記事参照)、以前から対パレスチナを名目にイスラエルとの貿易を継続しているトルコ企業があるとの疑惑も報道されていた(11月8日付国営アナドル通信)。

トルコ外務省は11月20日、今回のフーシ派が行ったミサイル攻撃を非難する声明とともに、同様の事件が二度と起こらないよう必要な措置を講じるとの表明をした。

(井口南)

(トルコ、イエメン、イスラエル、パレスチナ)

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