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ボリッチ大統領が3度目の教書演説、61の施策を発表(チリ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月11日 0時30分

チリのガブリエル・ボリッチ大統領は6月1日、就任後3度目となる教書演説を実施した。インフレ抑制や、安全保障強化にかかる予算増、パンアメリカン競技大会の成功などの功績を述べたほか、今後推進する施策として61の項目を掲げた。

演説の中でも議論を呼んだのが、人工妊娠中絶合法化にかかる法案提出だ。チリでは現在、母体の命が危険にさらされている場合など3つの事由に該当する場合のみ、中絶が合法化されているが、当該事由によらない場合でも中絶を認める法案を提出する予定と述べた。併せて、既に上院に提出している安楽死・緩和ケア法案の緊急的な推進も表明した。

その他の施策として、治安対策に関しては、警察組織の増強や治安省の設置などを挙げた。また、インフラ面の事業として、2028年までに176億ドルを超える公共事業の実施とそれに伴う約4万8,000人の雇用、2025年までに複数の地方都市での電気バス導入、2024年下半期に中部のラ・セレナとコキンボ向けの淡水化プラントの入札の実施などを発表した。主要産業の鉱業については、官民プロジェクト推進による10年後のリチウム生産の倍増や、銅の中長期的な増産のため新たな製錬所建設などを掲げた。それら施策を実施するための財源確保の一環として、所得税改革草案の提出にも言及した。スポーツに関しては、2036年の五輪招致を目指した手続きの開始を表明した。

ボリッチ政権の支持率は30%前後で低迷しているものの(2024年4月9日記事参照)、民間調査会社カデムによる世論調査では、過去2回の教書演説のタイミングでは支持率が一時的に上昇し40%台となる傾向にあった。しかし、今回はその現象は生じず、ほぼ横ばいの31%という結果となっている。

主要経済団体の反応でも、治安などの優先事項への対応に関しては評価の声があった一方、特に投資促進に向けた経済政策が不足しているとの指摘が目立った。

(大塚優希)

(チリ)

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