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パネル大手のビジョノックス、約1兆2,100億円で有機ELの新工場建設へ(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月3日 0時30分

中国パネル大手で深セン証券取引所に上場する維信諾科技(ビジョノックス)は5月28日、有機ELパネルの生産ラインを安徽省合肥市に設置すると発表した。合肥市政府と同日に協力意向書を交わし、両者は共同でプロジェクトを推進するとしている。新たに生産するのは、第8.6世代(注1)基板サイズ(2,290ミリ×2,620ミリ)のフレキシブルAMOLED(注2)で、生産能力は月産3万2,000枚を予定している。総投資額は550億元(約1兆2,100億円、1元=約22円)に達する見込みだ。ビジョノックス側が新たな生産ラインの建設と運営を担当し、合肥市政府側は建設資金の拠出、用地、インフラなど関連施設の提供、人材紹介などを担うとしている。双方の出資比率は明らかにされていない。

ビジョノックスと合肥市は2022年、スマートフォン向けなどの第6世代AMOLEDの生産事業でも協力実績がある。当時の事業では、総投資額110億元のうち、ビジョノックスの出資比率は約45%、残りは合肥市などの政府系企業が出資した。同事業は2022年に着工し、2023年末に稼働を開始した。

中国の市場調査会社CINNOリサーチによると、2024年第1四半期(1~3月)のスマホ向けAMOLEDパネルの世界出荷量では、ビジョノックスが前年同期比で約3.3倍と急増した。同社の市場シェアは6.5ポイント上昇の11.6%となり、韓国のサムスンディスプレー(シェア41.0%)、中国の京東方科技集団(BOE、同17.5%)に次いで3位となった。

同社は、AMOLEDの用途がスマホからノートパソコン、タブレット端末、車載ディスプレーなどにも広がり浸透しつつあるとして、高世代生産ラインの構築を通じ、こうした製品領域に向けた中型有機ELの供給を拡大させる方針だ。

(注1)世代名称の定義は生産に使われているガラスの寸法で決められ、一般に世代が高くなるほど、ガラス基板サイズや生産量も大きくなる。

(注2)フレキシブルディスプレーは、軽薄で柔軟性が高く、丸めることもできる表示装置。AMOLED(Active Matrics Organic Light Emitting Diode)は、有機ELの一種で、画素ごとに点灯・消灯、輝度の調節を行うアクティブマトリックス方式を採用したもの。

(劉元森)

(中国)

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