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中国家電大手TCL、韓国LGディスプレイの中国2工場を買収(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月2日 0時25分

中国家電大手のTCL科技集団は9月26日、韓国LGディスプレイ傘下の楽金顕示(中国)の株式80%と、楽金顕示(広州)の株式100%、この2社が持つ技術やサポートサービス事業を買収すると発表した。買収の基準価格は108億元(約2,214億円、1元=約20.5円)で、パネル生産子会社のTCL華星光電技術(CSOT)を通じて実施する予定だ。

同集団は買収目的について、(1)性能の高いIPS液晶パネル(注1)の生産能力の増強、技術蓄積の強化、(2)CSOTの広州既存工場との資源配分の最適化、運営コストの削減、生産ライン競争力の強化、(3)LGディスプレイの国際的な顧客とのつながりを強め、グローバル化戦略を加速させることなどを挙げた。

楽金顕示(中国)は2012年12月、国有企業の広州高新区科技控股(持ち株比率20%)と設立した合弁会社だ。テレビ、業務用向け大型液晶ディスプレー(LCD)を生産する第8.5世代(注2)の工場を持ち、パネルの月産能力は18万枚に上る。また、楽金顕示(広州)は2006年6月に設立され、月産能力230万台のLCDモジュール工場を持つ。2社はいずも広東省広州市黄埔区に位置する。

市場調査会社の北京群智営銷諮詢(シグマインテル)が8月2日に発表した予測では、韓国系パネルメーカーはLGディスプレイ広州工場の売却により、2025年以降はテレビ用LCD市場から完全に撤退することになる。代わりに、CSOTの2025年のLCD出荷量世界シェア(第5世代以上)は、2023年の19.3%から25.2%、中国企業全体では同65.8%から72.7%にそれぞれ高まる見通しだ。

(注1)IPS液晶(In-Plane-Switching)パネルは、液晶ディスプレーの方式の1つ。他の方式よりも視野角が広いなどの特徴がある。

(注2)第8.5世代とは、ガラス基板サイズが2200×2500ミリ(mm)、または2250×2610㎜のもの。第5世代は1100×1300㎜。

(劉元森)

(中国)

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