2024年第1四半期の貿易赤字、前年同期比41.5%減(トルコ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月8日 1時15分
トルコ統計機構(TUIK)の4月30日の発表によると、2024年第1四半期(1~3月)の輸出は前年同期比3.6%増の636億258万ドル、輸入は12.8%減の839億4,534万ドルで、貿易赤字は41.5%減の203億4,276万ドルとなった。
第1四半期の輸出を品目別にみると、最大の輸出品目である自動車・同部品は前年同期比6.3%増だった。輸出増加への寄与が最も大きかったのは鉱物性燃料で32.6%増となった。また、鉄鋼も19.1%増と回復傾向にある。他方、前年に急増した貴金属類は2.6%減と減少に転じた。非ニット衣類(11.4%減)とニット衣類(8.1%減)は、前年から欧州向けが冷え込んでおり、低迷が続いている(添付資料表1参照)。
国・地域別の輸出では、輸出額全体の42.5%を占めるEU向けが前年同期比4.1%増と回復傾向にあるが、国別で首位のドイツが5.2%減で、スペイン、フランスも低調だった。2位以下を輸出額順にみると、米国(6.1%増)、イタリア(7.0%増)、イラク(24.4%増)、英国(11.2%増)などが好調だった。他方、欧米の制裁対象国となっているロシア向けについては、軍事転用可能製品が輸出されていることから、トルコに制裁を課すとの欧米からの警告などもあり、33.8%減になった(添付資料表2参照)。
第1四半期の輸入を品目別にみると、最大の輸入品目である鉱物性燃料が前年同期比17.0%減だった。また、前年に急増した貴金属類は53.0%減となり、最大のマイナス寄与となった。そのほか、プラスチック製品(13.7%減)、一般機械(1.9%減)、電気機器(2.3%減)など主要品目は軒並みマイナスだった。他方、前年から好調な自動車・同部品は23.0%増と好調だった(添付資料表3参照)。
国・地域別の輸入では、主要国のロシア(前年同期比8.3%減)、中国(2.1%減)、ドイツ(4.6%減)ともに落ち込んだ。また、金の需要が落ちついたこともあり、貴金属を中心としたスイスからの輸入が前年同期比72.3%減と最大のマイナス寄与となった。また、EUからは、ドイツを除き、イタリア(29.5%増)、フランス(11.5%増)、スペイン(10.1%増)などが伸びたが、EU全体では5.0%増にとどまった。なお、2023年6月に包括的経済連携協定を批准した(2023年6月21日記事参照)アラブ首長国連邦は39.1%増と大きく伸びた(添付資料表4参照)。
(中島敏博)
(トルコ)
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