ミッドクロップのカカオ豆出荷が開始、生産者価格を50%引き上げ(コートジボワール)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月10日 0時55分
世界最大のカカオ豆生産国コートジボワールで、2023/2024収穫年度(2023年10月1日~2024年9月30日)のミッドクロップ(2024年4月1日~2024年9月30日)のカカオ豆出荷が、4月1日から始まった。翌2日、コベナン・クアシ・アジュマニ農業・農村開発・食糧生産相は、当該期の生産者最低買い上げ保証価格を、メインクロップ(2023年10月1日~2024年3月31日)より50%増の1キロ当たり1,500CFAフラン(約375円、1CFAフラン=約0.25円)に引き上げると発表した。2023/2024収穫年度のコートジボワールのカカオ豆生産は、前年度比20%減の180万トンの見通し。
同相は、国際市況を反映して設定される生産者価格について、「当該期の先物取引価格が1キロ当たり平均2,326CFAフラン(CIF/運賃・保険料込み条件)となり、政府は、農家に約束しているCIF価格の60%を上回る64%の水準となる1,500CFAフランを保証すると決定した」と述べた。
2023/2024収穫年度は、世界のカカオ豆生産の約6割を占めるコートジボワールとガーナでの天候不順と病害による生産の減少で、供給不足が懸念されており、国際市況が急騰している。
コーヒー・カカオ評議会(CCC)は4月2日、例年にないカカオ豆の不作を前に、メインクロップで履行できなかった輸出契約をミッドクロップに繰り越す予定と明らかにした。
カカオ国際価格の指標となるニューヨーク先物市場価格は、収穫年度が始まった2023年10月に1トン当たり約3,400ドルで推移していたが、2024年に入って2倍超に急騰し、過去最高値を更新し続けて3月末には1万ドルを突破した。アナリストによると、この価格高騰は、主要生産地での作柄の大幅悪化による影響だけでなく、旺盛なチョコレート需要が根底にあり、また投機マネーの流入が価格をつり上げているとみている。
多くのメーカーがチョコレート菓子の値上げを発表しており、今後も値上げの動きが広がるとみられる。
カカオ市場、供給不足が拡大
国際カカオ機関(ICCO)が2024年2月29日に発表したレポートによると、2023/2024収穫年度のカカオ豆の世界生産量は445万トンと、前年度比11%減少する見通しだ。チョコレートやカカオ製品需要の先行指標となる世界の磨砕量(まさいりょう)は478万トンと、4.8%減の予測になっている。世界在庫量は139万5,000トンと、21%減少すると見ている。需給バランスは、37万4,000トンの供給不足の見通しだ。
(渡辺久美子)
(コートジボワール)
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