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2023年の世界の「国内避難民」は7,590万人、スーダンやDRC、ガザ地区で多数(アフリカ、スーダン、コンゴ民主共和国、パレスチナ、ブルキナファソ、中東)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月16日 10時50分

国内避難民モニタリングセンター(IDMC)は、5月14日、「世界の国内避難民に関する報告(2024年版)」を発表した。同報告書によると、2023年は151カ国・地域で新たに約4,700万人の国内避難および移動が登録されており、2023年末時点で世界での「国内避難民」(注)の合計は7,590万人となった。このうち、紛争・暴力による国内避難民は、前年比28%減の2,050万人だった。近年の国内避難民数の推移は次のとおり。

2014年:3,790万人(うち紛争・暴力による新規の移動1,130万人)
2017年:4,040万人(同1,180万人)
2020年:5,500万人(同980万人)
2023年:7,590万人(同2,050万人)

この中で、サブサハラ・アフリカでの国内避難民は、世界全体の46%となる3,480万人だった。避難理由別では、紛争と暴力が3,250万人となっており、残る230万人の理由が災害だ。中東・北アフリカでの国内避難民は合計1,530万人で、うち紛争と暴力との理由が約1,500万人だった。

国・地域別の2023年の紛争・暴力による国内避難民をみると、武力衝突が続くスーダンが世界全体の約30%となる約600万人を占め、2022年のウクライナの国内避難民数に次いで世界で過去2番目に多い数となった。次いで、コンゴ民主共和国(DRC)が377万人だった。さらに、イスラエルとハマスの衝突により、パレスチナのガザ地区では世界全体の約17%となる340万人で、2008年のデータ収集開始以降、同地区では最多となった。エチオピアでは79万人、ブルキナファソでは2019年の紛争激化以来最多の約71万人となり、アフリカ諸国が上位になった。

さらに、直近ではケニア、ブラジルでの洪水による避難民を確認しているが、今後も気候変動の影響などにより自然災害の頻度・期間が悪化する可能性もあり、世界で災害による避難民の増加も予測されている。

なお、国際移住機関(IOM)によると、アフリカから海外への移民は、フランス語圏からフランス、アラブ語圏から湾岸諸国が多い(2024年4月10日記事参照)。

(注)IDMCは、災害や紛争などにより、当該国内での移動を余儀なくされる人々を国内避難民として記録している。年間を通じて同じ人が複数の移動を行う場合も、そのたびにカウントしている。

(井澤壌士)

(アフリカ、スーダン、コンゴ民主共和国、パレスチナ、ブルキナファソ、中東)

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