ウクライナのシビハ外相が南アを訪問(南アフリカ共和国、ウクライナ、ロシア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月30日 13時35分
南アフリカ共和国のロナルド・ラモラ国際関係・協力相は10月28日、南アを訪問したウクライナのアンドリー・シビハ外相と会談した。シビハ外相は、ロシアのウクライナ侵略を非難するとともに、アフリカや世界の他の地域の多くの人々にも悪影響を与えているとし、地域的および世界的な課題に対する南アの強力なリーダーシップに期待を示した。特に南アが2025年にG20議長国を務めることを念頭に、世界的に平和と正義をもたらす支援を求めた。
報道によれば、シビハ外相はラモラ国際関係・協力相に対し、和平プロセスと今後の進め方についてのウクライナの考え方を伝え、支持を得たという。さらに、第2回世界平和サミットに向けての取り組み状況についても説明したもようだ。ラモラ国際関係・協力相は、現在の戦争(ロシアのウクライナ侵攻)に限らず、現下のあらゆる国際紛争への対応や、脆弱(ぜいじゃく)な国際安全保障環境について協議した、と述べた。
今回のシビハ外相の南ア訪問の際には、両国外交官や政府職員のビザなし渡航協定の締結・署名が予定されていたが、保留された。この件を担当するレオン・シュライバー内務相が、ラマポーザ大統領の署名、了解を得る前に協定締結を発表したことに大統領府が不快感を示したもようだ。
シュライバー内務相の出身政党である民主同盟(DA)は、先週ロシア中部カザンで行われた第16回BRICS首脳会議で、ラマポーザ大統領がロシア、プーチン大統領を「同盟国、友人」と評したことを非難していた(2024年10月25日記事参照)。これに対し、大統領府報道官のビンセント・マグウェニャ氏は10月27日、「ラマポーザ大統領が過度な圧力を受けることなく、南アの外交政策に対する責任と立場を主張することは、南アの国家主権利益に沿って、今後も果たしていく責任である」との声明を発表した。そうしたやり取りが行われている中で、ウクライナとの協定署名が保留とされたことにつき、当地報道では国民統一政府(GNU)内の亀裂が深まっているのではないかとの懸念が広がっている。
(的場真太郎)
(南アフリカ共和国、ウクライナ、ロシア)
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