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シリコンキャパシタ開発の韓国エルスペス、米フロリダ州ネオシティーに4.7億ドル投じる覚書署名(米国、韓国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月10日 1時30分

米国フロリダ州オセオラ郡は12月2日、韓国のエルスペスが同郡ネオシティーにシリコンキャパシタ(注1)の製造拠点と世界本社を設立する覚書を同郡委員会が承認したと発表した。投資額は最低でも4億7,000万ドルとなる見込みで、ネオシティーで不動産を取得する最初の民間企業となる。

ネオシティーは同州中央部オーランド近郊の研究拠点都市で、スマートセンサーやフォトニクス、光学などの分野を中心に、イノベーションの震源地を目指して建設が進められている(2024年4月12日付地域・分析レポート参照)。米国発アクセラレーターのプラグアンドプレイもプラグアンドプレイ・ネオシティーを設置し、10月24日には半導体関連の支援企業のピッチイベントを開催した(2024年10月28日記事参照)。

エルスペスは高性能コンピューティングデバイス用のシリコンキャパシタの開発・製造に焦点を当てた7万5,000平方フィート(約7,000平方メートル)の施設を建設する予定で、オセオラ郡は5エーカー(約2万平方メートル)の敷地やそのほかの優遇措置も提供する。今回の覚書により、エルスペスは少なくとも600人の従業員を平均年俸8万5,000ドルで雇用する必要があり、2028年末までにその半数を雇用しなければならない。施設建設に1億ドル、設備に1億7,000万ドルが投じられ、2031年には追加設備に2億ドルが投資される予定で、同郡からの優遇措置の詳細は今後6カ月で確定する見込みとのことだ(「ビジネス・ジャーナル」12月2日)。

オセオラ郡委員会のビビアナ・ジャナー委員長は「この覚書は、われわれの経済開発戦略とネオシティーのエコシステムの成長における変革の一歩だ」と述べた。エルスペスのヤン・イ・パーク創業者兼最高経営責任者(CEO)は「私自身がネオシティーを訪問し、より良い未来を築こうとするオセオラ郡の熱意とその先進的な取り組み、地域社会を鼓舞して高めようとする価値観に対する同郡の明確な決意をはっきりと理解できた」「これらの夢を実現するためにオセオラ郡と協力し、NSFエンジンへの採択(注2)をきっかけに台頭しつつあるエコシステムの確立に意義ある貢献ができることを楽しみにしている」と述べた。

なお、ジェトロは10月15日、米国フロリダ州中央部のオーランド地域に、日本企業の投資環境視察ミッションを派遣し、ネオシティーも訪問した(2024年10月21日記事参照)。

(注1)薄膜半導体技術を活用し、小型で高さが低く、印加電圧や温度変化に対し静電容量が安定した特長を持つ次世代のコンデンサー。

(注2)米国国立科学財団(NSF)は、最先端研究助成プログラム「NSF地域イノベーションエンジン(NSFエンジン)」を創設し、フロリダ州オセオラ郡ネオシティーの非営利団体BRIDGが主導するフロリダ中央部半導体イノベーションエンジンを含む10件を選定した(2024年2月7日記事参照)。各NSFエンジンは10年間で最大1億6,000万ドルの助成金交付を受ける予定だ。

(檀野浩規)

(米国、韓国)

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