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ドイツへ光学産業企業や起業家などのミッション団を派遣(静岡、ドイツ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月23日 0時50分

光技術関連の展示会「Photonics Days」が10月9~10日、ドイツ・ベルリン市で開催された。同展示会は学会と併設され、参加者であるドイツ内外の光学産業の研究者、大企業や中小企業などの幅広い関係者をつなぐことによるイノベーションの創出を目的としている。

静岡県浜松市からは、ジェトロ浜松が取りまとめた7社・団体(注)が出展した(2024年10月23日記事参照)。展示会の前後には、企業や支援機関、研究機関などへの訪問面談を実施。カール・ツァイス本社や光学産業の研究が盛んな大学・研究機関が所在するイエナでは、浜松市の光学産業の支援機関フォトンバレーセンターと現地のOptoNetが連携に向けて協議を行った。また、静岡大学を卒業後、イエナ大学博士課程で工学分野の研究に従事し、浜松とイエナの光学産業分野における橋渡し役として活躍する田中克弥氏や、研究機関Leibniz IPHTとの意見交換も行った。研究施設の見学を通じて、参加者はドイツにおける光学産業の基礎研究などについて理解を深めた。参加者の静岡県工業技術研究所は、製造工程やデジタル技術を活用したデータ管理や活用方法などを学び、その成果を地域企業に還元する予定だ。

写真 Leibniz IPHTでの意見交換の様子(ジェトロ撮影)

Leibniz IPHTでの意見交換の様子(ジェトロ撮影)

写真 イエナ大学の研究機関Abbe Center of Photonicsにて、研究内容を学ぶ様子(イエナ大学提供)

イエナ大学の研究機関Abbe Center of Photonicsにて、研究内容を学ぶ様子(イエナ大学提供)

ベルリンの製造業向けインキュベーション施設「MotionLab」も訪問した。3Dプリンターをはじめ鉄鋼・木材の加工、クリーンルームを完備した電子部品製造設備などが用意され、幅広い試作品の製造が可能だ。また、これら設備の使用方法の指導や、機材トラブル時のメンテナンス体制も整っている。参加者からは、日本にも同様のインキュベーション施設が存在すれば、製造業分野のスタートアップにとって好ましいとのコメントがあった。

写真 Motion Labの試作品製造機器の一部(ジェトロ撮影)

Motion Labの試作品製造機器の一部(ジェトロ撮影)

写真 Motion Labで説明を受ける様子(ジェトロ撮影)

Motion Labで説明を受ける様子(ジェトロ撮影)

参加した起業家2人は、日系スタートアップのグローバル展開を支援するジェトロ「グローバル・アクセラレーション・ハブ事業」を利用し、エンジェル投資家・起業家の山本知佳氏よりメンタリングを受けた。山本氏からは、2人それぞれに対するビジネスモデルの具体的なアドバイスや、ドイツにおける有効な連携先の紹介を受けた。

(注)TAKシステムイニシアティブ、アルプスエンジニアリング/ナノプロセス、浜松医科大学に所属する起業家、光産業創成大学院大学に所属する起業家、中日クラフト、静岡県工業技術研究所、フォトンバレーセンター(浜松地域イノベーション推進機構)。

(田辺知樹)

(静岡、ドイツ)

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