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インド商工省、ボルト・ナット・ネジ類のBIS強制認証を一部見直し(インド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月31日 0時40分

インド商工省産業・国内取引促進局(DPIIT)は、インド規格(BIS、注1)強制認証を義務付ける「2023年ボルト・ナット・ネジ類品質管理通達(QCO)(以下、2023年QCO)」に代えて「2024年ボルト・ナット・ネジ類品質管理通達(QCO)(以下、2024年QCO)」を7月12日付で発表し、従来の内容を一部見直した。本通達は、即日施行された。

2023年QCOは2023年7月21日付で発表され、2024年1月21日に施行されていた。しかし、同通達内容が実態に即しておらず、製造業各分野のサプライチェーンに大きな影響を及ぼすとして、自動車関連産業の業界団体など各関係者が商工省に対して見直しを要望していた。2024年QCOは、この要望を一部踏まえるかたちになっている。2023年QCOからの主な変更点は次のとおり。

1. 2024年度から3年間にわたり、BIS認証なしで輸入できる枠を設定
2. 商用に供さない研究開発用途品目に関し、BIS認証なしで輸入できる枠を設定
3. 輸入・国内調達を問わずスペアやアフターサービス用途の品目に関し、BIS認証なしで輸入・国内調達できる枠を設定

DPIITでBISを担当するアシシュ・クマール顧問によれば(2024年7月26日ヒアリング)、2024年QCOは自動車メーカー、部品メーカー、関連業界団体、ジェトロなどとの意見交換を通じ、関連企業の課題を把握する一方、インド政府が推し進める製造業振興策「メーク・イン・インディア」を考慮し、実態に即した通達に見直したとのことだった。

2024年QCOの主な内容を次に整理する。

(1)年度別のインド規格認証不要輸入枠(2023年度輸入額=100%)

2024年度(注2)は80%
2025年度は70%
2026年度以降は50%

※国内調達品については2024年8月1日からインド規格認証義務付け(中小企業については施行期日猶予措置あり)

(2)研究開発用途のBIS認証不要輸入枠:年間200キログラム

(3)スペア・アフターサービス用途のBIS認証不要輸入・国内調達枠:2023年度輸入額の5%

2024年QCOで対象となるのは、BIS認証に定められる品目のうち19品目だ。クマール顧問の説明によると、上記の輸入枠に関しては、品目ごとではなく、QCO記載対象品目全体の2023年度輸入金額で管理される。2023年度の輸入品目が、2024年度以降の輸入品目と必ずしも合致する必要はない。

なお、輸入枠管理において、輸入者(当該ボルト・ナット・ネジ類を輸入する製品、部分組立品、部品製造業者)に煩雑な事務作業が発生する懸念については、都度相談してほしいとの説明があった。また、同顧問から、実務運用開始後に問題点があれば相談に応じるとの発言もあり、今後の動きに注意が必要だ。

(注1)BISは、インド標準規格局という組織を指すが、インド標準規格(IS)自体も広くBISという略称で呼ばれている。

(注2)年度は4月~翌3月

(波多野知行)

(インド)

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