米大統領選、ハリス氏の地元カリフォルニア州ベイエリアの受けとめ(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月7日 15時5分
11月5日に行われた米国大統領選挙の結果を受け(2024年11月7日記事参照)、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領は選挙翌日の6日午後1時(米太平洋時間)に、首都ワシントンで、支持者向けの演説を行った。
カリフォルニア州は民主党支持者の多い州で、AP通信によると、ハリス氏が57%以上を得票し、55の選挙人を獲得した(開票率55%)。ハリス氏の出身地オークランド市、サンフランシスコ市を含むベイエリア、その近郊の郡での同氏の得票率は60%以上だったが、州内陸部の中核市のベーカーズフィールドやカーン郡、フレズノ郡、ロサンゼルス近郊のオレンジ郡では、共和党のドナルド・トランプ前大統領が優勢だと報道されていた。
地元紙「サンフランシスコ・クロニクル」は選挙結果を受け、「(トランプ氏の勝利という結果は)カリフォルニア州のせいではなく、トランプ氏に投票した全米6,700万人以上のせいだ」「トランプ氏は大統領就任初日に、不法移民を国外追放するという公約を掲げており、不当な行為からカリフォルニア州民を守るべきだ」と主張した(11月6日)。同紙は、農業生産高で全米1位(594億ドル)のカリフォルニア州には農園で働く不法移民が多いことから、トランプ氏が公約どおりの行動に出た場合、大きな影響を受けるだろうと推測している。
また、CBS(11月6日)は「トランプ氏は、カリフォルニア州の自由主義的な政策を理由に、連邦政府による災害支援を差し控えると脅している。もしこれが現実となった場合、カリフォルニア州で頻繁に起こる壊滅的な山火事の季節や大地震の際には、州にとって大きな問題となり得る」と指摘している。
カリフォルニア州知事への期待の声
現地では、同州のギャビン・ニューサム知事(民主党)が反トランプ派の筆頭として、2028年の大統領選に臨むのではないかといった報道がなされている。ニューサム氏は、自身のX(旧Twitter)などで、トランプ氏の大統領就任の危険性を警告し、同氏を厳しく批判してきた。今回の選挙結果を受け、ニューサム氏は「私たちの望む結果とはならなかったが、自由と機会を求める私たちの闘いは続く。カリフォルニア州は次期大統領と協力していくつもりだが、憲法を守り、法の支配を維持するために、全米の州と協力をしていく。連邦制は私たちの民主主義の礎だ。それがアメリカ合衆国だ」と自身のXで述べた。
米国西海岸ではこのほか、ワシントン州とオレゴン州でハリス氏が勝利した。両州は民主党色が強い州で、今回も結果は変わらなかったが、州の中心都市以外では、トランプ氏支持が過半の郡・地域が多かった。激戦州(スイングステート)のネバダ州は、開票作業が続いているものの(開票率87%)トランプ氏が優勢の状況だ。同日に行われたワシントン州知事選では、ボブ・ファーガソン知事(民主党)が再選した。
(芦崎暢)
(米国)
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