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第9回日中韓サミット開催、日中韓FTA交渉加速で合意(韓国、中国、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月28日 16時40分

韓国ソウルで5月27日、第9回日中韓サミットが開催された。岸田文雄首相、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、中国の李強首相による首脳会談が行われ、日中韓FTA(自由貿易協定、注1)の締結交渉の加速を含む「経済協力と貿易」など、6つの主要分野の協力を盛り込んだ共同宣言が発出された。同サミットは2008年に開始し、これまで8回開催された。今回の第9回は2019年12月以来、約4年半ぶりの開催となった。

共同宣言には、3カ国協力を推進する主要分野として、(1)人的交流、(2)気候変動への対応などを通じた持続可能な開発、(3)経済協力と貿易、(4)公衆衛生と高齢化社会、(5)科学技術協力とデジタルトランスフォーメーション(DX)、(6)災害救援と安全という6分野が盛り込まれた。

特に(3)経済協力と貿易では、「3カ国間の経済、貿易分野における共同の取組みが地域および世界経済の繁栄・安定にとって重要な役割を果たすとの認識を共有する」とした上で、「自由で、公正で、包括的で、質の高い、互恵的なFTAの実現に向け、交渉を加速していくための議論を続ける」と明記し、3カ国間の自由貿易の拡大に係る具体的な方向性を示した。

今回の日中韓サミットを受け、代表的な経済紙の1つの「韓国経済」(5月27日電子版)は「3カ国が相互に貿易障壁を引き下げる韓中日FTAが締結されると、EU、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)とともに、『グローバルビッグ3経済圏』が形成される」と紹介した。また「第8回日中韓ビジネスサミット」(注2)のスピーチでも、3カ国の首脳から日中韓FTAの必要性について言及があったことにも言及している。

さらに、日中韓サミットと閣僚級会合を定期的に開催することも共同宣言に明記された。次回の第10回は日本で開催されることとなった。

なお、前日の5月26日には、それぞれ2国間の首脳会談も行われた。とりわけ、経済分野に関して、日韓間では、水素・アンモニア・量子分野に加えて、脱炭素や重要鉱物分野での協力を加速させることなどで一致した。日中間では、環境・省エネなどグリーン経済や医療・介護などさまざまな分野・レベルで対話・協力を進めていくことなどで一致した。韓中間では、韓中FTAの後続交渉を再開することや「韓中サプライチェーン協力・調整協議体」の開催など、サプライチェーン安定化のために協力していくことなどで一致した。

(注1)2012年11月に締結交渉が開始されたものの、2019年11月の交渉会合を最後に中断していた。

(注2)日中韓サミットに併せて行われ、日本は経団連、中国は中国国際貿易促進委員会、韓国は大韓商工会議所が主催した。5月27日午前にソウルの大韓商工会議所で行われ、3カ国の企業関係者など240人余りが参加した。なお、前回は成都で開催されている(2019年12月25日記事参照)。

(橋爪直輝)

(韓国、中国、日本)

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