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日本とインドネシアの第5回自動車政策対話が開催、共創への方針提示(インドネシア、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月2日 0時50分

インドネシアの工業省と日本の経済産業省は627日、ジャカルタ市内で第5回自動車対話を開催した。同対話は20232月以来の開催で、自動車産業に関係する両国政府関係者や業界団体、民間企業などから約90人が出席した。

写真 自動車対話の様子(ジェトロ撮影)

自動車対話の様子(ジェトロ撮影)

対話では、自動車業界のインドネシアと日本の協力可能性、低公害車(注1)の推進、バイオ燃料の活用など、自動車産業を取り巻くテーマについて議論を行った。

冒頭、工業省のプトゥ・ジュリ・アルディカアグロインダストリー(注2)総局長(前自動車部長)は「第4回自動車対話の合意により、工業省と経済産業省は脱炭素に関してさらなる協力を行うものと認識している」と述べた。エネルギー・鉱物資源省のエニヤ・リスティアニ・デウィ石油・天然ガス総局長は「脱炭素などの達成に向けては、特定の手段に限定しないマルチパスウエーでの検討が必要で、さまざまな可能性を模索していきたい」と述べた。

経済産業省製造産業局の田中一成審議官は「大気汚染改善、自国の資源活用、化石燃料への依存低減といったインドネシアが抱える課題解決のため、バッテリー式電気自動車(BEV)に加えて、内燃機関車やインドネシアが豊富に有するバイオ燃料の活用なども含めたマルチパスウエーでの対策検討を進めることが重要ではないか」と発言した。同局自動車課の菊池孝憲企画調査官は、2023年12月に日本とASEAN各国首脳が創設に合意した「次世代自動車産業共創イニシアティブ」に基づく「ハイブリッド車からBEVまでの多様なポートフォリオの生産・輸出ハブ」の実現に向け、「低公害車の開発と普及の推進」「バイオ燃料(エタノール、軽油)利用の推進」「輸出競争力強化などを通じた共創」を進めていくとの方針を示した。

バイオ燃料利用については、第4回自動車対話の際に提案されたバイオエタノールに関する協力への取り組みの成果報告として、インドネシアでのバイオエタノール需要・供給状況予測や、サトウキビやパーム残りかすから作られるバイオエタノールの供給可能性、サプライチェーン構築の課題などについて報告された。インドネシア工業省は、BEVに関する投資や購入に対する優遇措置やバイオ燃料の利用義務の進捗について報告した。エネルギー鉱物資源省は、自動車セクターにおけるバイオ燃料の政策や生産状況、活用に向けた支援プログラムの説明などを説明した。

今後については、日本側から、脱炭素達成に向けてバイオ燃料についての研究協力を具体化していくことに関して引き続き議論していくことなどを提案し、インドネシア側も積極的な反応が見られた。

(注1)窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)などの大気汚染物質の排出が少ない、または全く排出しない環境性能に優れた自動車。今回の対話では、低公害車として、ハイブリッド車、燃料電池車、バッテリー電気自動車が挙げられた。

(注2)農業資源を基にした工業を指す。製粉業、食肉加工業、油脂工業、精糖業、嗜好(しこう)作物加工業などが該当する。

(鹿住成子、八木沼洋文)

(インドネシア、日本)

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