米USTR代表指名のグリア氏が公聴会で証言、「第1次トランプ政権の通商政策を発展させる」(米国、日本、メキシコ、カナダ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月7日 10時55分
米国連邦議会上院で通商を所管する財政委員会は2月6日、ドナルド・トランプ大統領が米国通商代表部(USTR)代表に指名したジェミソン・グリア氏の人事承認の採決に先立つ公聴会を開催した。
グリア氏は「トランプ大統領の1期目で通商に関して達成された歴史的な実績をさらに発展させることを楽しみにしている」と述べ、具体的に(1)1974年通商法301条に基づく中国原産品に対する追加関税の賦課、(2)米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の締結、(3)日米貿易協定の締結、の3つの実績を挙げた。このうち、日米貿易協定に関しては、米国産農産品の日本市場アクセスを獲得したと振り返った。
また、「米国の労働者に高賃金の仕事を提供し、彼らが家族や地域社会を支えることができるような通商政策を策定および実施する」「強固な国家安全保障につながる経済的安定を維持する上で、通商政策は重要な役割を果たすことができる」などと述べ、米国の経済・国家安全保障の確保に向けたツールとしての通商政策の位置づけを強調した。
財政委員会のマイク・クレイポー委員長(共和党、アイダホ州)は、USTR首席補佐官を務めたグリア氏の経歴などを踏まえて(2024年11月28日記事参照)、「彼の経験と能力から、(指名承認の)答えはイエスだ」と述べた。一方で、ロン・ワイデン少数党筆頭委員(民主党、オレゴン州)は、「通商はUSTRが所管すると法律で規定されているが、現政権では本当にそうかわからない。商務省か?財務省か?国土安全保障省か?」「政権内でグリア氏が果たす役割がどのようなものになるか、あるいは果たす役割があるかどうかも不明だ」などと述べ、トランプ政権の通商政策の策定プロセスに疑問を投げかけた。トランプ大統領は、商務長官にハワード・ラトニック氏を指名した際、同省が通商政策を主導する可能性を示唆している(2024年11月20日記事参照)。
USTRは米国の貿易投資政策を所管する政府機関で、外国政府との通商交渉や、WTO、OECDなどにおける交渉のほか、1974年通商法301条に基づく追加関税など輸入制限措置の事前調査や措置勧告などを担う。トランプ大統領は「米国第一の通商政策」を掲げ、米国の貿易赤字是正に向けた追加関税の賦課や通商協定の見直しの方向性を打ち出している(2025年1月22日記事参照)。
グリア氏の人事承認の採決は、上院の本会議で近日中に行われる見込みだ。
(葛西泰介)
(米国、日本、メキシコ、カナダ)
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