2024年第1四半期の自動車販売は前年同期比23.9%減(インドネシア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月7日 0時10分
インドネシア自動車製造業者協会(ガイキンド)は4月5日、2024年第1四半期のインドネシアの自動車販売数などのデータを発表した(添付資料表1参照)。1月から3月までの自動車販売台数(卸売り)の合計は前年同期比23.9%減少の21万5,069台だった。生産台数は前年同期比24.8%減の29万4,821台、完成車の輸出台数は同19.6%減の10万8,251台となった。自動車販売台数の内訳は乗用車が17万403台、商用車が4万4,666台だった。
ブランド別の販売台数では、上位からトヨタが6万5,655台(30.5%)、ダイハツが4万6,003台(21.4%)、ホンダが2万8,066台(13.0%)となった。また、日系以外の自動車メーカーでは、韓国の現代自動車の7,243台(3.4%)および中国の五菱(ウーリン)の5,457台(2.5%)が上位10社に入った(添付資料表2参照)。
燃料別では、ガソリン車が15万8,440台(73.7%)、ディーゼル車が3万4,509台(16.0%)だった。また、ハイブリッド車(HV)やバッテリー式電気自動車(BEV)、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)を含む電気自動車(EV)の合計は1万9,157台(8.9%)となり、そのうち、BEVは5,913台だった。ブランド別のBEVの販売台数では、ウーリンが3,807台と最多で、64.4%を占めた(添付資料表3参照)だった。
ガイキンドのヨンキー・スギアルト会長は自動車販売が前年同期比23.9%減少した点について、米国連邦準備制度理事会(FRB)の金利政策の方向性や、インドネシアの通貨ルピアの対米ドル相場が安値水準を付けていること(注)に触れつつ、「世界的な不確実性の高まりにより、一部の消費者は様子見をしている」とした(「コンパス」紙4月22日)。また、日系自動車メーカーのダイレクターは、インドネシアではローンを組んで車を購入することが一般的だとし、「不良債権の増加により、金融機関が自動車ローンの貸出審査を厳しくしている」と述べた(「リプタン6」紙4月19日)。
(注)インドネシア中央銀行(BI)が公表しているルピアの対米ドル為相場の参照レート「ジャカルタ銀行間直物ドル相場(JISDOR)」は4月17日、1ドル=1万6,265ルピアと、2020年4月8日以来の安値を記録した。
(大滝泰史)
(インドネシア)
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