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2024年の貿易黒字、過去最高の約189億ドル、農産品とエネルギーの輸出増が寄与(アルゼンチン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月28日 0時40分

添付資料PDFファイル(253 KB)

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)が1月20日に発表した貿易統計によると、2024年通年の輸出額は前年比19.4%増の797億2,100万ドル、輸入額は17.5%減の608億2,200万ドルだった。貿易収支は、前年の69億2,600万ドルの赤字から、188億9,900万ドルの黒字へと転じ、過去最高を記録した。

2024年の貿易収支黒字の主な要因は、2023年に発生した記録的な干ばつの影響から回復し、穀物などの農産品やその加工品の輸出が大幅に増加したためだ。そのほかにも、国土の南部に位置するパタゴニア西部バカムエルタのシェールガス・オイルの生産増や、ガスパイプラインの開発が進んだことで、エネルギー関連品目の輸出が増加すると同時に、その輸入が減少した。輸入の減少は、国内の経済活動の低迷も大きく影響したとエコノミストらは分析している。

INDECのデータを輸出品目別にみると、機械・電気機器を除き、ほぼ全ての品目が前年比で増加した(添付資料表1参照)。一次産品の輸出額は前年比27.0%増加し、中でも穀物が同25.2%増と好調だった。農畜産物加工品は同24.6%増、特に食品産業残留物(主に大豆油かす)の輸出が同27.2%増と大きく伸びた。燃料・エネルギーは同22.3%増で、原油の輸出が前年比40.8%増と大幅に伸びた。

輸入については、ほぼ全ての品目の輸入額が前年比で大きく減少したが、乗用車は前年比55.4%増加した。

仕向け地別に輸出額をみると、最大の貿易相手国のブラジル向けは前年比14.8%増、次いで米国向けが14.3%増、中国(香港・マカオを含む)向けが14.9%増だった(添付資料表2参照)。同様に、輸入額では、ブラジルからが前年比17.3%減、米国と中国からがそれぞれ27.9%減、19.5%減だった。ブラジルと中国に対しては貿易赤字だったが、対米国は黒字となった。対日貿易では、輸出額が前年比53.3%減、輸入額が2.0%増で、9億3,900万ドルの貿易赤字となった。

1月21日付の現地紙「ペルフィル」(電子版)によると、現地民間調査会社アベセブの2025年の見通しは、規制緩和や輸出税の引き下げなどの政府の政策によって、輸出が拡大し続ける一方で、景気回復による輸入も増加するため、貿易黒字は維持できるものの、140億ドルから150億ドルにとどまるとしている。2024年12月の輸入額は、社会的包摂の促進と資金調達のための外貨購入に係る税(通称:パイス税)廃止の影響もあってか(2025年1月21日記事参照)、前年同月比で26.2%増加した(添付資料図参照)。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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