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海洋再生可能エネルギー展示会「シーエナジー」、ナントで開催(フランス)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月5日 1時10分

海洋再生可能エネルギーの展示会「シーエナジー(Seanergy)2024」がフランス政府後援の下、フランス西部ナントで6月26~28日に開催された。開催前の推計では、200社の出展、国外からの来場者30%を含む3,500人の来場者が見込まれた。

写真 会場の入り口(ジェトロ撮影)

会場の入り口(ジェトロ撮影)

同展示会は、着床式・浮体式洋上風力発電や、潮力発電、波力発電、海洋温度差発電・海水空調、浮体式太陽光発電、塩分濃度差発電のほか、エネルギー貯蔵、脱炭素海洋運送、ドローン、エコデザイン素材など、海洋エネルギー関係の分野横断的なテクノロジーを対象としている。フランス電力(EDF)の再生可能エネルギー事業子会社EDFリニューアブルズやエネルギー大手トタルエナジーズ、ドイツからはエネルギー大手RWE、洋上風力プラットフォーム大手スカイボーン・リニューアブルズなどが出展した。

写真 展示ブース(ジェトロ撮影)

展示ブース(ジェトロ撮影)

ナント市が所在するペイ・ド・ラ・ロワール地域圏の経済開発公社(Solutions&Co)で日本企業誘致を担当するエベール・まどか氏は、同地域圏は「欧州随一のSEM-REV海洋試験場(注)を有し、海洋再生可能エネルギーに関するさまざまな研究を行う国立ナント中央工業大学やナント大学などの研究機関が存在する。これらの研究機関を筆頭に、新しい製造技術やロボティクスソリューションの開発を通じて、産業を支える研究機構(IRTジュール・ベルヌなど)が同エネルギーの製造過程で企業支援や分野に特化した人材育成プログラムを多数実施している。国内トップクラスの実績を上げ、海洋エネルギー産業を牽引する存在だ」と語った。

写真 IRTジュール・ベルヌ(ジェトロ撮影)

IRTジュール・ベルヌ(ジェトロ撮影)

主催者によると、2023年の世界の洋上風力発電容量は約60ギガワット(GW)と推計され、2040年には1兆ドル規模の産業になると予測されている。フランス政府は2050年までに洋上風力による発電容量を約1.5GW(2024年5月時点)から45GWまで増やす野心的な目標を掲げており、ナント市からほど近いサンナゼール港沖合では2022年6月から480メガワット(MW)の発電容量を持つ同国初の大規模洋上風力発電所が稼働している(2022年6月20日記事参照)。2024年5月には国内3カ所目となるノルマンディー地方のフェカン洋上風力発電所の開設式が行われたほか、ブルターニュ地方では同国初の大規模浮体式洋上風力発電プロジェクトの落札結果が発表された。日本企業では、住友商事がフランスでの洋上風力発電プロジェクトとして英仏海峡洋上沖合の「ルトレポール」プロジェクト、ビスケー湾沖合の「ノワールムティエール」プロジェクトへの事業参画を表明している。商船三井は2023年10月にEDFリニューアブルズと洋上風力発電や、グリーン水素関連事業での協業を促進するための覚書を締結している。

(注)波力発電や洋上風力発電のエネルギー効率の測定・改善を目的としたオフショア試験場。

(井上尚貴)

(フランス)

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