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バイデン米政権、マイクロンに最大60億ドル超の助成発表、CHIPSプラス法で7社目(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月26日 11時25分

米国のバイデン政権は4月25日、マイクロンの最先端メモリ半導体製造などのため、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づいて、最大61億4,000万ドルの助成などで、商務省とマイクロンが予備的覚書(PMT)を締結したと発表した。CHIPSプラス法に基づく助成金拠出の発表は、7社目となる(2024年4月16日記事参照)。

助成の対象となるプロジェクトは次のとおりだ。

ニューヨーク(NY)州クレイでの最先端DRAMチップ生産に特化した、4つの「メガファブ」工場計画の最初の2工場を建設。各ファブには60万平方フィート(約5万5,742平方メートル)のクリーンルームが設置され、4つの工場の合計で240万平方フィートのクリーンルームスペースとなる(注)。
アイダホ州ボイジーでの最先端DRAMチップの生産に特化した、約60万平方フィートのクリーンルームを備えた大量生産(HVM)工場の開発。既存の研究開発施設に併設し、研究開発と製造業務の効率を向上させることで、技術移転のラグ(遅れ)を減らし、最先端メモリ製品の市場投入までの時間を短縮する。

商務省の発表によると、ワイヤレス通信、パーソナルコンピューティング、高性能計算、自動車、人工知能(AI)などの先端技術にとって重要な部品である最先端DRAMチップの生産は、すべて東アジアで行われている。そのため、今回の助成を通じて、マイクロンが今後20年間で同社のDRAMチップ生産の約40%を米国に移管する計画を支援することで、米国の経済および安全保障の強化に貢献するとしている。特にマイクロンの技術は、新しいAIモデルの実現に不可欠な高帯域幅メモリの生産を可能にするという。マイクロンは、米国を拠点とする唯一のメモリ半導体メーカーとなっている。

今回の助成のうち、少なくとも4,000万ドルは、工場の建設や運営のための高度な技術を要する労働力の確保に充てられる。マイクロンはこれまで、労働力開発のため、NY州のシラキュース大学やオノンダガ・コミュニティ・カレッジ(OCC)、アイダホ州のカレッジ・オブ・ウエスタン・アイダホ(CWI)やボイジー州立大学などと連携している(2023年6月1日記事参照)。同社は今後、セントラルNY製造業者協会やOCCなどと連携して、登録アプレンティスシップ(RAP)制度(実習プログラム、2023年10月2日記事参照)をNY州で開始する予定だ。同社は実習プログラムを、既にアイダホ州で行っている。

また直接的な助成に加え、商務省は75億ドルの融資を行う。さらにNY州からは、発表済みの55億ドルのインセンティブの提供を受けるほか、アイダホ州からは半導体の労働力開発に関連して州税削減などのインセンティブを受ける。加えて財務省に対して、最大25%の投資税額控除(2023年6月15日記事参照)を申請する見込みだ。

商務省は今後、提案されたプロジェクトや申請書に含まれる情報について、包括的なデューディリジェンス(DD)を開始する。同省は、DDが完了した後に、マイクロンと最終的な助成条件が記された書類を交わすことができる。なお、申請者との交渉により、PMTに記された条件と最終的な助成条件は変わることがある。

(注)マイクロンは2022年10月に、20年以上をかけてNY州クレイに大型工場を建設するため、最大で1,000億ドルの投資を行うと発表していた(2022年10月6日記事参照)。

(赤平大寿)

(米国)

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