米石油大手シェブロン、エクソンに続いてアルジェリアに参入(アルジェリア、米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月21日 11時0分
アルジェリア国営炭化水素公社ソナトラックは6月13日、米国石油メジャーのシェブロン傘下のシェブロンFEAインターナショナル・ベンチャーズと、天然ガスなど炭化水素の開発に関する合意書を締結した(6月13日付同社プレスリリース)。同合意書に基づき、アルジェリア南部にあるアフネットとベルキン地区で、炭化水素の開発に向けた事業化の可能性を評価する。米国石油メジャーによるアルジェリアでの炭化水素の開発事業は、5月のエクソンモービルに続いて2件目となる(2024年6月3日記事参照)。
ソナトラックとシェブロンは2019年9月、米国ヒューストンでパートナーシップの可能性について意見交換を行い、2020年3月にパートナーシップ交渉を開始するための合意書を締結していた。
アルジェリアの天然ガスに対しては、輸出拡大に加えて、国内でも需要が高まり、生産や輸送能力への懸念が生じている。報道によると、ムハンマド・アルカブ・エネルギー・鉱業相は5月26日、アブデルマジド・テブン大統領の指示に基づき、今後5年以内に天然ガスの年間生産能力を近年の年間平均生産量1,370億立方メートルから2,000億立方メートルに引き上げ、かつ、そのうち2022年の輸出量の2倍に相当する1,000億立方メートルを輸出する目標を設定した。
石油・ガスビジネスの法的環境の再整備により、外資系企業の参入を促進する目的で導入した2019年12月11日付の炭化水素法は、外国の炭化水素事業者に対して、より柔軟な契約枠組みとより有利な税制を規定している。こうした背景の中、外資系企業はアルジェリアの天然ガス生産能力の拡大に向け、積極的に市場参入を図っている。米国系のシェブロンとエクソンモービル以外にも、石油準メジャーのオキシデンタル・ペトロリアムが既に進出している。加えて、2024年からフランス、イタリアなど欧州や、中国、中東などのエネルギー大手もアルジェリアとの関係を強化している(2024年4月16日記事参照)。2022年はソナトラックが外国企業と共同で生産した天然ガスが全体の生産量に占める割合は17%だったが、今後この割合は増加する見込みだ。
(ピエリック・グルニエ)
(アルジェリア、米国)
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