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重要鉱物など原材料の輸出規制が約10年で5倍以上に、OECD発表(世界)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月27日 0時5分

OECDが9月16日に発表した「産業用原材料の輸出規制目録2024」によると、産業用原材料を巡って世界で導入された輸出規制の件数は2009年と比べ、2022年に5倍以上に拡大した。輸出規制とは輸出税や輸出割当、ライセンス要件、輸出禁止などを指すが、うち輸出税、ライセンス要件の導入件数が全体として大勢を占めている(注)。ただし、最も厳格な措置に当たる輸出禁止の導入件数が2020年以降、大幅に増加し、2022年の導入件数としては首位となるなど、禁止に至る傾向が近年強まっている。

対象となる原材料をカテゴリー別に見ると、廃棄物・スクラップ製品や鉱石・鉱物は、産業政策と環境保護の両方の要因から、輸出規制の導入が従来、多い傾向にあった。ただし、廃棄物・スクラップ製品以外でも、カリウム、モリブデン、タングステン、ジルコニウム、ゲルマニウムは輸出規制の導入が急増し、マンガン、チタン、銅、リン酸塩、ジルコニウム、ゲルマニウムなどについては、2022年の導入件数が2009年以来、最高水準を記録した。2020年から2022年には、グリーンへの移行に関連する重要鉱物のコバルト、レアアース、スズ、パラジウム、プラチナ、ニッケル、銅などの世界輸出の20%以上が少なくとも1回の輸出規制に直面している。

国・地域別に見ると、2009年から2022年の間に新たに導入された輸出規制の件数では、中国で全体の20%、インドに19%と集中している。これにベトナム(6%)、アルゼンチン(5%)、サウジアラビア(4%)を加えた上位5カ国で導入された措置の合計が全体の半数以上を占めた。

OECDは同報告書で、多くの国が重要な原材料を入手する上で貿易に依存していることから、「原材料に輸出制限を課すことにより、負の波及効果が世界のサプライチェーンに連鎖する危険性がある」と指摘した。さらに、グリーンへの移行が世界的に阻害される影響にも言及した上で、「輸出規制の使用を抑制するため、協調的な解決策の必要性」を提言した。

(注)WTOのルール上、輸出税、ライセンス要件は一般的に禁止されていない。

(森詩織)

(世界)

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