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高齢化に伴う事業機会とは、現地私立病院に聞く(スリランカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月26日 1時15分

近年、スリランカでは高齢化が進行し、2023年時点で高齢者(60歳以上)の割合は12.3%に達する。現地の私立病院ナワローカ・ホスピタル(Nawaloka Hospital)で会長を務めるジャヤンタ・ダルマダーサ氏に、医療分野の現状や新たな事業機会について聞いた(インタビュー日:722日)。概要は次のとおり。

写真 ジャヤンタ・ダルマダーサ氏(ジェトロ撮影)

ジャヤンタ・ダルマダーサ氏(ジェトロ撮影)

(問)スリランカでの各種感染症の状況について。

(答)新型コロナ禍は、収束している。近年、デング熱は流行しているが、重症化するケースは多くない(2023年5月22日記事参照)。

(問)2022年春以降にスリランカで発生した経済危機は、病院経営にどのような影響を与えたか。

(答)公立病院では外貨不足により医薬品を十分に輸入できなかったようだが、当院ではそうした問題はなく、医療機器も通常輸入できた。当院の医師や看護師が英国やオーストラリア、米国など国外に一家で移住する動きはあるが、看護師を継続的に採用することで人員体制を維持している。旅行者などは、安心してスリランカを訪問してほしい(注)。

(問)スリランカの高齢化への対応について。

(答)2016年には、高級老人ホーム「NAGAI」を開設した(2016年9月9日記事参照)。同施設へは、社会福祉法人・高志会理事長の高橋弘充氏が49%を出資している。月次利用料は、部屋の大きさなどによって異なるが、1日3食の食事や看護師のサポートを含めて40万~65万スリランカ・ルピー(約20万8,000~33万8,000円、1スリランカ・ルピー=約0.52円)だ。海外在勤などで、両親の世話ができない富裕層などが利用している。高級老人ホームへの需要は大きく、部屋数を増やすことも検討している。日本人の利用も歓迎だ。

写真 「NAGAI」の個室の様子(ジェトロ撮影)

「NAGAI」の個室の様子(ジェトロ撮影)

(問)日本企業とのビジネス連携について。

(答)今後、日本から人工知能(AI)により高画質画像を提供するコンピュータ断層撮影(CT)装置や磁気共鳴画像診断(MRI)装置、超音波診断装置などの医療機器を新たに輸入する。患者からは最新技術への期待が大きく、将来的には最新型のX線撮影装置も導入したい。また、当院で育成した介護人材を日本に送り出す取り組みも進めていく。

(注)日本の外務省によれば、スリランカには一定程度の医療リスクがあるため、注意が必要だとしている(外務省HP「世界の医療事情 スリランカ」参照)。

(大井裕貴、ラクナー・ワーサラゲー)

(スリランカ)

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