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米商務省、カナダ企業サンドバインを輸出管理対象から除外、人権保護の対処受け(米国、カナダ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月23日 11時0分

米国の商務省産業安全保障局(BIS)と国務省は10月21日、輸出管理規則(EAR)に基づくエンティティー・リスト(EL)からカナダ企業のサンドバインを除外したと発表した。23日付の官報で公示する予定。

ELは、米国政府が「米国の国家安全保障または外交政策上の利益に反する行為に携わっている、またはその恐れがある」と判断した団体や個人を掲載したリストで、それらに米国製品(物品、ソフトウエア、技術)を輸出・再輸出・みなし輸出などを行う場合には、BISの事前許可が必要となる(ただし、多くの場合で原則不許可の審査方針が取られる)。BISと国務省は2024年2月に、ニュース報道の規制や政治・人権活動家の特定に向けたインターネットの監視や検閲に使用可能な技術を用いた製品を外国政府に提供した疑いで、ソフトウエア企業のサンドバインをELに追加していた(2024年2月27日記事参照)。

今回のBISの発表によると、サンドバインはELに追加されて以降、人権を損なわせる可能性のある同社製品の悪用に対処する措置を講じた。具体的には、「非民主主義国家」からの撤退を進め、既に32カ国から撤退したほか、24カ国で撤退の手続きを行った。また、人権専門家を経営陣に加えたほか、事業決定を審査する倫理委員会を設置するなどの体制を整備した。

国務省のクリストファー・ル・モン次官補代理(民主主義・人権・労働担当)は「人権の保護と促進は、米国の国家安全保障と外交政策にとって重要なだけでなく、ビジネス的にも正しいことだ。米国政府は説明責任を促し、人権(保護)を前進させるため、輸出規制や制裁などの利用可能なあらゆる手段をためらうことなく活用する」と述べた。

なお、米国のジョー・バイデン大統領は2021年12月に、デュアルユース(軍民両用)製品が人権侵害に用いられないよう有志国で協力することを目的とした「輸出管理と人権イニシアチブ(ECHRI)」を立ち上げ(2021年12月14日記事参照)、現在、米国や日本を含む25カ国が参加している(2023年3月31日記事参照)。BISは今回の発表で、サンドバインを巡る一連の措置について、ECHRIを含めた米国の取り組みを強調するものだと説明している。

(葛西泰介)

(米国、カナダ)

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