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四川省、大型投資誘致イベント開催(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月10日 0時45分

中国四川省成都市で9月25日、中国大手企業や外資系企業向けの投資誘致プロモーションイベントが開催された。大型投資プロジェクトの調印式が行われたほか、四川省各市の投資説明会や現地視察ツアーなどが行われた。延べ5,900人以上の国内外企業関係者が参加した。

冒頭のあいさつで、四川省共産党委員会の王暁暉書記は「四川省は中国西部地域(注1)でも経済規模が大きく、人口の多い省だ。また、資源が豊富、農業も盛んな地域で、西部大開発をはじめとする中国の国家発展戦略で重要な地域として、積極的な役割を負っている」と述べた。また、王書記はその他の重要戦略として、成都・重慶地区双城経済圏(注2)、西部陸海新通道(注3)を挙げたほか、「新たな質の生産力」(注4)の推進に向けて同省が注力している産業として、低空経済、新エネルギー、航空産業を挙げた。

ドイツの電機メーカーで、江蘇省蘇州市に中国・東アジア本社を置くシーメンスの肖松グローバル執行副総裁、シーメンス中国董事長、総裁兼最高経営責任者(CEO)は「四川省はシーメンスにとって中国戦略の核心地域で、グローバルでも工業・製造業のデジタル化の研究開発、イノベーションを進める上で重要な地域の1つだ」と述べた。近年、シーメンスは四川省内でバリューチェーンを拡大させており、2023年には成都市でデジタル工場を拡張したほか、2024年2月には四川省政府と戦略的協力協議を結び、スマート製造、デジタル経済、グリーン・低炭素、人材育成などの分野でさらなる連携の可能性を模索していくことを強調した。

また、成都市政府は9月18日、「成都市の外商投資環境のさらなる最適化と投資誘致の強化に関する若干の措置」を発表した。同措置は、(1)外資誘致の質向上、(2)外資系企業への内国民待遇の保障、(3)外資による投資の保護の継続的強化、(4)投資運営の利便性向上、(5)財政、税制支援の強化、(6)外資による投資の促進方法改善の6分野20項目で構成している。(4)の中では具体的な施策として、高度外国人材の工作許可と居留許可の審査期間を5営業日まで短縮することや、条件を満たした外国籍人員に対し、業務上の必要性に基づき、入国後、最長5年の居留許可証または滞在期間が180日を超えないマルチビザへの変更を可能とすることなどを盛り込んだ。

なお、ジェトロは現地進出日系企業のビジネス環境改善に向けて、成都日本商工クラブなどと共同で、成都市政府に対し、外国籍人材の中国への赴任手続き緩和について、改善要望を行っていた。

(注1)中国西部地域は、重慶市、四川省、雲南省、貴州省、広西チワン族自治区、チベット自治区、陝西省、甘粛省、寧夏回族自治区、青海省、新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区西部を含むとされる。

(注2)2021年10月に中国共産党中央委員会と国務院が新たな経済圏構想として、成渝経済圏の建設規画綱要を発表。同経済圏は重慶市の27区(県)と一部地域、四川省の成都市、自貢市など15市から構成される。

(注3)中国西部地域と東南アジアを結ぶ陸海複合輸送ルート。主要ルートは、重慶市から貴州省、広西チワン族自治区を経由して、東南アジアに至るルートと、重慶市から雲南省を経由して、東南アジアに至るルート。その他、重慶市から湖南省を経由するルートや、成都市を起点とするルートもある。

(注4)2024年3月5日に行われた第14期全国人民代表大会(全人代)第2回会議で、李強首相は政府活動報告で、2024年の重点業務の1つとして「現代化産業体系の構築を大いに推し進め、新たな質の生産力の発展を加速させる」と言及した(2024年3月6日記事参照)。

(王植一)

(中国)

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