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米「ニューヨーク・コミコン2024」開催、日本のポップカルチャーに高い関心(米国、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月5日 1時15分

米国東海岸で最大規模のポップカルチャーの祭典「ニューヨーク・コミコン2024」が10月17~20日、ニューヨーク市の展示場ジェイコブ・ジャビッツ・コンベンション・センターで開催された。「ニューヨーク・コミコン」は「サンディエゴ・コミコン」に次ぎ、全米で2番目に大きいコミコンで、報道によると、2023年に続いて来場者は20万人を超えた(「フォーブス」誌10月21日)。

開催期間中、同展示場の地下から5階までの全フロアで、さまざまな催しが行われた。公開予定アニメのPRパネルや、新作ゲーム体験エリア、トレーディングカード対戦エリア、フィギュアなどの物販ブースが設置され、出展数は650社を超えた。

写真 (左)会場の入り口、(右)東映アニメーションの展示エリア(ともにジェトロ撮影)

(左)会場の入り口、(右)東映アニメーションの展示エリア(ともにジェトロ撮影)

会場の入り口では、米国でも大人気のアニメ「ドラゴンボール」のキャラクター「孫悟空」の巨大レプリカが来場者を迎えた。30万平方フィート(約27,900平方メートル)の展示ホールには、日本のアニメやマンガのキャラクターのレプリカが複数設置され、存在感を放った。

日本の大手ゲーム各社も大きな展示ブースを設けた。カプコンは、20252月にリリースされる「モンスターハンターワイルズ」のオンラインビデオゲーム台を設置した。コナミデジタルエンタテインメントは20242月に25周年を迎えた「遊戯王カードゲーム」を実演し、来場者にカードゲームの体験機会を提供した。ゲーム人口19,000万人とされる米国ゲーム市場(注1)への参入を加速するための各社の取り組みがみられた。

写真 (左)カプコンのオンラインゲームエリア、(右)コナミのカードゲーム体験エリア(ともにジェトロ撮影)

(左)カプコンのオンラインゲームエリア、(右)コナミのカードゲーム体験エリア(ともにジェトロ撮影)

上階フロアでは、アニメやテレビ、映画についてのパネルディスカッションが開催された。10月から放送の新作アニメ「ドラゴンボールDAIMA」をPRするパネルでは、声優の野沢雅子氏の冒頭あいさつがライブストリーミングで配信され、記念すべき第1話が放映されるなど、日本のコンテンツ関連のイベントが複数開催された。

フィギュア、アパレル、マンガ、音楽レコードなどさまざまなIPコンテンツ(注2)の販売エリアも盛況だった。日本ではなじみの「ガチャポン」や「孫悟空」などのプラモデル制作を体験できるブースもあり、順番待ちの列ができていた。また、全日本空輸(ANA)がビジネスクラスシートを体験できるブースを設け、日本への旅行に関心のある潜在顧客を掘り起こしていた。

写真 (左)プラモデルの製作風景、(右)ANAのビジネスクラスシートの体験ブース(ともにジェトロ撮影)

(左)プラモデルの製作風景、(右)ANAのビジネスクラスシートの体験ブース(ともにジェトロ撮影)

米国のゲーム、アニメの市場は今後も大幅な成長が予測されており(注3)、多岐にわたる日本コンテンツの海外展開には大きな関心が集まっている。当初はアメリカンコミックスのイベントとして始まった「ニューヨーク・コミコン」だが、米国市場で日本のコンテンツを広く認知してもらう足がかりとなっている。2025年は10月9~12日に開催予定。

(注1)ジェトロの調査レポート「米国におけるゲーム市場の動向(2024年7月)」参照。

(注2)知的財産(Intellectual Property)権で保護された独自コンテンツ。

(注3)北米のアニメ市場規模は、2023年時点の34億6,000万ドルから、2030年には99億4,000万ドルに拡大し、年平均成長率は16.3%と、同期間で約3倍という大幅な成長が予測されている(ジェトロの調査レポート「アニメ関連サービス・商品に関する米国市場レポート(2024年7月)」参照)。

(堀田基、セドリック・チャールズ、本田美奈子)

(米国、日本)

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