大統領が連邦議会を解散、2月23日に総選挙(ドイツ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月7日 13時15分
ドイツのフランク=バルター・シュタインマイヤー大統領は2024年12月27日、連邦議会の解散を正式に発表した。また、総選挙を2025年2月23日に実施する旨を併せて発表した。20年ぶりに議会解散に伴う総選挙が実施される。
オラフ・ショルツ首相は、次年度予算案などを巡る対立から、自由民主党(FDP)出身のクリスティアン・リントナー前財務相を罷免し、社会民主党(SPD)、緑の党、FDPによる3党連立政権が崩壊(2024年11月8日記事参照)。その後、ショルツ首相は連邦議会で自身の信任投票を実施したものの、反対多数で否決された。この結果を受けてショルツ首相は、シュタインマイヤー大統領に議会解散を提案していた(2024年12月19日記事参照)。
シュタインマイヤー大統領は会見で、「このような困難な時期こそ、安定した政治には、行動力のある政府と、議会における信頼できる多数派の形成が必要」と語ったほか、「信任投票の結果、現政府はもはや過半数を占めておらず、各党との協議において異なる構成の政府を支持する多数派も見いだすことができなかった。したがって、わが国の利益のためには、新たな選挙が正しい道であると確信している」と述べ、自らの決断について説明した。
なお、議会解散の発表以降も、選挙後に新たな連邦議会が招集されるまでの間は、現在の議会が存続する。連邦政府も新政権が発足するまで業務を継続するが、2025年予算が成立していないため、新政権発足後の予算成立まで予算執行は暫定予算による義務的経費などの支出に限られる。
早くも選挙戦に突入、野党第1党のCDUがリード
ショルツ首相の信任投票の翌日12月17日以降、各党は選挙公約の草案を発表し始め、解散・総選挙の正式決定を待たずして、早くも選挙戦に突入。公共放送ZDFが12月20日に発表した世論調査では、最大野党のキリスト教民主同盟(CDU/CSU)が31%で、前回12月6日発表の調査から2ポイント減ながら首位を走る一方、ショルツ首相率いるSPDは前回と変わらず15%。このほか、極右のドイツのための選択肢(AfD)が19%、左派ポピュリストのザーラ・ワーゲンクネヒト同盟(BSW)は5%、連立与党の緑の党は14%、そして連立政権を離脱したFDPは3%となった。
(中山裕貴)
(ドイツ)
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