南部激戦州でトランプ氏優勢、自身の支持層を取り戻す、米大統領選挙世論調査(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月2日 13時50分
11月の米国大統領選挙まで約1カ月となったが、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領と共和党のドナルド・トランプ前大統領の選挙戦世論調査で接戦が続いている。最近の世論調査でトランプ氏の支持率は南部の激戦州(スイングステート)でハリス氏を上回り、その他の州でも白人など自身の支持層を取り戻す傾向がみられた。
コネティカット州のキニピアク大学は10月1日、激戦州のジョージア、ノースカロライナ両州での大統領選挙などの世論調査結果(注1)を発表した。第3政党などの候補者も含めて、今日大統領選挙が行われたら誰に投票するかという問いでは、ジョージア州でトランプ氏の支持率が50%とハリス氏(44%)を6ポイント上回り、ノースカロライナ州でもトランプ氏が49%とハリス氏(47%)を上回った。キニピアク大学の世論調査アナリストのティム・マロイ氏は「ジョージア州とノースカロライナ州を合わせて選挙人は32人となり、両候補の勝敗を左右する可能性がある。現時点ではジョージア州ではトランプ氏が優勢で、ノースカロライナ州では接戦が予想される中、南部に注目が集まっている」と述べた(「米国大統領選の仕組み-本選挙」参照)。
また、「ワシントン・ポスト」紙(10月1日)がまとめた、大統領選でのハリス氏とトランプ氏の直接対決を想定した激戦州の世論調査の平均値では、トランプ氏が南部のジョージア(+2ポイント)、アリゾナ(+2ポイント)、ノースカロライナ(+1ポイント未満)の3州でハリス氏を上回った。一方、ハリス氏は中西部のウィスコンシン(+3ポイント)、ミシガン(+2ポイント)およびペンシルベニア(+2ポイント)の3州でトランプ氏を上回る。ネバダ州では互角だ。
支持率平均値でトランプ氏がハリス氏を上回る上記3州において9月に実施された「ニューヨーク・タイムズ」紙とシエナ大学の世論調査(注2)では、両者の白人の支持率の差は、ジョージア州で45ポイントと最も大きく、ノースカロライナ州(24ポイント)、アリゾナ州(14ポイント)が続く。いずれの州でも8月の調査時より、差が3ポイント、9ポイント、13ポイント広がった。
同じく、「ニューヨーク・タイムズ」紙とシエナ大学が9月に激戦州の中西部ウィスコンシン州で実施した世論調査(注3)によれば、大統領選挙を想定した問いで、ハリス氏が49%とトランプ氏(47%)を2ポイントリードした。しかし、8月の調査結果と支持層の詳細を比較すると、トランプ氏の主な支持層となる「男性」「白人」「大卒でない白人」のハリス氏との支持率の差がそれぞれ7ポイント、3ポイント、7ポイント広がっており、トランプ氏が自身の支持層を回復しつつあることを示した。
両者の接戦が続くことについて、トランプ氏の知名度がハリス氏を上回っていること、黒人女性に投票することへの抵抗感などが要因として指摘されている(英国「ガーディアン」紙10月1日)。
CNNが10月の開催を提案している両氏の第2回討論会への参加を承諾しないトランプ氏に対して、ハリス陣営は参加を呼びかけるTVコマーシャルを展開している。
(注1)実施時期は2024年9月25~29日。対象者はジョージア州、ノースカロライナ州の投票予定者942人、953人。
(注2)実施時期は2024年9月17~21日。対象者はジョージア州、ノースカロライナ州、アリゾナ州の投票予定者682人、682人、713人。
(注3)実施時期は2024年9月21~26日。対象者はウィスコンシン州の投票予定者680人。
(松岡智恵子)
(米国)
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