COP29がアゼルバイジャンで開幕、気候資金の新規目標設定に注目(アゼルバイジャン、世界)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月12日 14時25分
国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)が11月11日、アゼルバイジャンのバクーで開幕した。会期は11月22日まで12日間を予定している。
首脳級会合の「世界気候行動サミット」は11月12~13日の2日間にわたって開催される。各種報道によると、日本を含め、米国やEU、中国、インドなど主要国・地域の首脳の多くは欠席を予定している。
COP29では、世界気候行動サミットに加えて、金融やエネルギー、イノベーション、食糧などの各テーマに沿って会議や展示が実施され、公式発表では約7万人の参加者が見込まれている。
COP29の主な論点としては、途上国への気候変動対策資金に関する新規目標の設定が挙げられる。気候資金に関しては、COP16で先進国が2020年までに年間1,000億ドルを提供することで決定し、COP21では2025年まで同目標を継続することで合意した。加えて、2025年に先立ち、2025年以降の新たな定量的目標の「新規合同数値目標」を設定することを決定していた。今回はこの「新規合同数値目標」の最終合意に向けて議論が行われる予定だ。また、パリ協定締約国は2025年に、2035年の温室効果ガス(GHG)削減目標の「国が決定する貢献(NDC)」(注1)を国連に提出することとなっており、COP28で初めて実施された第1回グローバル・ストックテイク(GST、注2)の結果を踏まえ、各国による新たなNDCの設定にも注目が集まる。
COP29では、COP28で詳細事項の合意に至らなかった、GHG排出削減量の国際取引に関するパリ協定第6条についての議論も継続することとなっている。このうち6条4項に基づくカーボンクレジットの創出基準に関しては、開幕初日に合意に達したことが発表された。第6条4項では、国連が管理する多国間の炭素市場メカニズムについて取り決められている。日本が実施している2国間クレジット制度(JCM)などの協力的アプローチについて定めた6条2項など、そのほかの条項については引き続き交渉が行われる。
(注1)Nationally Determined Contribution。パリ協定締約国はNDCとして、気候変動対策を実施しなかった場合のBAU(Business As Usual)シナリオと比べてのGHG削減目標を設定し、5年ごとに国連に報告することとなっている。
(注2)パリ協定で定めた各目標に対する世界全体の進捗状況を5年ごとに包括的に評価する仕組み。
(久保田夏帆)
(アゼルバイジャン、世界)
外部リンク
- OPECプラス8カ国、自主減産を2024年12月末まで1カ月延長することで合意(オマーン、クウェート、カザフスタン、ロシア、アラブ首長国連邦、イラク、サウジアラビア、アルジェリア)
- カザフスタンで原発建設の是非問う国民投票、賛成が7割(カザフスタン)
- OPECプラス、現行の減産方針と一部加盟国の自主減産計画を維持(オマーン、クウェート、カザフスタン、ロシア、アラブ首長国連邦、イラク、サウジアラビア、アルジェリア)
- ドイツ首相がウズベキスタンを訪問、産業協力プログラムを採択(ドイツ、ウズベキスタン)
- OPECプラス8カ国、自主減産を2024年11月末まで2カ月延長で合意(オマーン、クウェート、カザフスタン、ロシア、アラブ首長国連邦、イラク、サウジアラビア、アルジェリア)
- OPECプラス、2025年末までの減産方針を維持(オマーン、クウェート、カザフスタン、ロシア、アラブ首長国連邦、イラク、サウジアラビア、アルジェリア)
- ロシア初の「グリーン」水素試験場、サハリンで稼働(ロシア)
- 双日、ウズベキスタンに事務所を開設(日本、ウズベキスタン)
- 2023年の天然ガス生産量は世界で4兆2,829億立方メートル、OPEC加盟国合計はシェア15.7%(世界、カタール、米国、ロシア、イラン)
- 2023年の天然ガス輸入は前年比7.6%減(ロシア、イラン、トルコ)
この記事に関連するニュース
-
COP29で「有機性廃棄物からのメタン削減宣言」発表(アゼルバイジャン、世界)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月21日 13時20分
-
ブラジルがCOP29で、2035年までの温室効果ガス排出削減目標引き上げを発表(ブラジル)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月18日 10時25分
-
途上国から先進国に「気候資金」拠出拡大求める声相次ぐ COP29首脳級会合
産経ニュース / 2024年11月13日 8時28分
-
COP29、11日に開幕 温暖化対策の資金拠出、トランプ氏返り咲きで暗雲
産経ニュース / 2024年11月9日 16時42分
-
世界の政治・経済日程(2024年11月~2025年1月)(世界)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月31日 0時0分
ランキング
-
1イスラエル首相らに逮捕状、ICC ガザで戦争犯罪容疑
ロイター / 2024年11月22日 3時50分
-
2ロシアがわずか1000km先にICBM発射情報、アメリカへ「核攻撃いとわない」警告か
読売新聞 / 2024年11月21日 20時1分
-
3“長距離ミサイル攻撃”駐日ロシア大使が批判…西側諸国が「露と戦うということ」
日テレNEWS NNN / 2024年11月21日 18時11分
-
4レバノン東部空爆47人死亡 イスラエル、ヒズボラ停戦交渉中
共同通信 / 2024年11月22日 7時13分
-
5プーチン大統領、2週間近く公の場に姿見せず 3年間で最長 露独立系メディア
日テレNEWS NNN / 2024年11月21日 21時23分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください