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欧州議会選挙、連立与党が大敗し、ドイツでも右派躍進(ドイツ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月18日 1時25分

添付資料PDFファイル(80 KB)

ドイツで6月9日に行われた欧州議会選挙の暫定結果が発表され(添付資料表参照)、中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)が得票率23.7%(前回2019年:22.6%)と、前回同様の23議席を確保。極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は4.9ポイント増の15.9%とCDUに次ぐ得票率で、4議席増の15議席を獲得した。一方、連立与党では、オラフ・ショルツ首相率いる中道左派の社会民主党(SPD)が2議席減の14議席と過去最低になり、環境保護政党の緑の党が9議席減の12議席と大幅減少、リベラル政党の自由民主党(FDP)は前回同様5議席にとどまり、連立与党は全体として大敗を喫した。

公共放送ARD(6月10日)は、有権者の55%が投票の決め手は連邦政治と答えたことや、連邦政府の仕事に満足している人は22%のみという調査結果に触れ、政府への大きな不満が今回の大敗につながったと指摘した。

緑の党の議席の半減理由について、「ハンデルスブラット」紙(6月11日)は「気候保護という核心的な争点はもはや魅力がなく、有権者を遠ざける傾向にある」と分析。特に暖房法(2023年10月17日記事参照)以来、有権者の気候保護や緑の党に対する反感がますます高まっていると指摘した。ドイツにおける緑の党の9議席減は、欧州議会全体(2024年6月11日記事参照)での、欧州緑の党・欧州自由同盟(Greens/EFA)グループの18議席減にも大きく影響を与えた。

AfD、一時期の勢いは弱まるも、第2党に躍進

第2党の地位を獲得したAfDは、旧東ドイツ5州でいずれも大差で得票率1位を獲得し、特に旧東ドイツにおける支持の強さを見せた。

ただし、驚くような結果ではない、との見方も強い。ロストック大学教授で政治学者のボルフガング・ムノ氏は、ドイツ経済誌「ビルトシャフツ・ボッヒェ」(6月11日)に対して「全体的には、世論調査がすでに予測していたとおり、驚くような結果ではなかった。ドイツ全体で見れば、AfDの大成功とは言えないだろう。ほんの数カ月前までは、党内では20%を超える数字が語られていた」と述べ、一時期の勢いは弱まっていると指摘した。

また、「ディ・ベルト」紙(6月9日)は、「AfDは歴史的な結果を祝うが、この成功にもかかわらず欧州議会では、無派閥という脅威から不透明な未来に向かっている」とし、選挙直前のアイデンティティと民主主義(ID)グループからの除斥を踏まえ、欧州議会での影響力の不透明さを指摘した。

選挙権の16歳以上への引き下げ以降初の今回の投票率は64.8%で、前回の61.4%を上回った。

(小川いづみ、中山裕貴)

(ドイツ)

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