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米大統領候補のハリス氏とトランプ氏、相次いでインタビューに対応、投票日まで3週間弱(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月18日 13時0分

11月5日の米国大統領選挙の民主党候補カマラ・ハリス副大統領は10月16日、米国の保守系メディアのフォックスニュースのインタビューに応じ、主に移民政策に関する自身の考えを述べた。ハリス氏はこれまで積極的にメディアに対応していないなどと批判されていた。共和党候補のドナルド・トランプ前大統領も前日の15日にブルームバーグのインタビューに応じ、自身の関税政策の妥当性をあらためて主張した。

ハリス氏のインタビューは、フォックスニュースのアンカーを務めるブレット・バイアー氏が行った。インタビューでは、両者が互いの話を遮ったり、時には声を荒げたりするなど、激しい応酬がみられた。移民に関する質問が大半を占め、バイアー氏が、ハリス氏は2019年に不法移民を「非犯罪化」(取り締まり対象として扱わない)する趣旨の発言をしたと追及すると、ハリス氏は「副大統領としてそれをしたことはないし、大統領としてもするつもりもない」として、現在の立場を説明した。不法移民の流入数は2023年末から2024年初にかけて急増したことなどから、その対策が大統領選の争点の1つになっている(2024年10月7日記事参照)。バイデン政権との違いについては、「ジョー・バイデン大統領の続投ではない」と述べ、大統領になった際には自身の人生経験や職業経験、新しいアイデアを基に政権を運営するとし、自身は新しい世代のリーダーだと強調した。

トランプ氏のインタビューは、ブルームバーグ編集主幹のジョン・ミクルスウェイト氏が行った。同氏がトランプ氏の関税政策について「中国との貿易を実質的に停止し、欧州諸国に少なくとも10%の関税を課し、貿易に依存する4,000万の雇用を抱える米国経済に劇的な影響を与える」と指摘したのに対し、トランプ氏は「大きな影響を与える。良い影響だ」と述べ、自身の関税政策は米国経済に悪影響にはならないとの立場を堅持した。トランプ氏は中国に対する60%の追加関税や、全世界からの輸入に一律10%から20%の関税を課すベースライン関税、米国に輸出する国が課している関税率と同じ関税率を米国輸入時にも課すトランプ互恵通商法などを提案している(注1)。トランプ氏はまた、大統領選の結果を左右する州としてペンシルベニア州が最重要との見方に同意し、「われわれは、そこ(ペンシルベニア州)で非常にうまくやっていると思う」と述べた。今回の選挙では激戦州(スイングステート)の中でも、最も選挙人の多いペンシルベニア州(19人)が重要とされており、議会専門紙「ザ・ヒル」(10月10日)は、ペンシルベニア州で勝利した政党が85%の確率で大統領選全体でも勝利するとの見方を紹介している。

投票日まで3週間を切り、選挙戦は終盤を迎えている。ジェトロの特集ページ「2024年米国大統領選挙に向けての動き」では、大統領選に関する最新動向を随時紹介している(注2)。

(注1)トランプ氏の考えが反映された共和党の政策綱領については、2024年8月9日付地域・分析レポート参照。また、同氏の関税政策に関する法的根拠は、2024年10月15日記事参照。

(注2)民主党と共和党の政策綱領を基にした政策比較は、2024年9月6日付地域・分析レポート参照

(赤平大寿)

(米国)

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