1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

米テキサス州ダラスで米系食肉卸業者と連携した和牛エデュケーション事業を開催(米国、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月18日 0時35分

日本政府による農林水産物・食品輸出支援プラットフォームは9月11日、米国テキサス州ダラスで、和牛のエデュケーション事業を実施した。この事業は、米国の主要消費地以外への販路拡大に向けて、ターゲットとなる地域に根付いた米系食肉卸売事業者と連携し、当該卸事業者の顧客を中心とした外食・小売事業者向けのセミナーを実施するもの。和牛の基礎知識に加え、取り扱いが難しいといわれる非ロイン系部位(注1)のカッティング・調理方法や、メニュー、製品の価格設定の考え方にも踏み込んだ商売目線での教育・普及活動により、和牛の輸出拡大を図る。

写真 米系食肉卸売事業者の顧客など外食・小売事業者70人以上がセミナーに参加(ジェトロ撮影)

米系食肉卸売事業者の顧客など外食・小売事業者70人以上がセミナーに参加(ジェトロ撮影)

今回のセミナーでは、ダラスで高級食肉を扱う有力な米系食肉卸売事業者のほか、当該事業者に和牛を卸す日系輸入事業者と現地日系焼き肉店の協力を得ながら、格付け制度や個体識別番号などの基礎知識、焼き肉店シェフによる非ロイン系部位のカッティングデモ、ロイン系と非ロイン系部位を使ったレシピの提案や試食提供を行った。外食・小売事業者70人以上が参加したが、そのうち約3割は和牛を扱っておらず、和牛を扱っている事業者でも非ロイン系部位を使う事業者はわずかだった。試食ではロイン系部位に加えて、非ロイン系部位のおいしさの理解向上を促すために、テキサスBBQ(注2)の食材としてなじみ深いブリスケ(注3)を使ったハンバーガーや焼き肉などが提供された。

写真 非ロイン系部位のカッティングデモ(ジェトロ撮影)

非ロイン系部位のカッティングデモ(ジェトロ撮影)

写真 試食提供された非ロイン系部位(ブリスケ)を使ったハンバーガー(ジェトロ撮影)

試食提供された非ロイン系部位(ブリスケ)を使ったハンバーガー(ジェトロ撮影)

写真 多様な部位が焼き肉スタイルで試食提供された(ジェトロ撮影)

多様な部位が焼き肉スタイルで試食提供された(ジェトロ撮影)

セミナー終了後には、米系食肉卸売事業者のところに問い合わせが殺到する結果となった。セミナー翌日までに数件の新規顧客との成約に至ったほか、和牛を扱っていない既存顧客からも非ロイン系部位を含む注文が相次いだという。

和牛の輸出拡大に向けては、米系卸売事業者と連携したセミナーを実施することで、当該卸売事業者の営業担当が和牛に関する知識を深める機会につなげることも重要だ。また、当該卸売事業者に和牛を卸す輸入事業者の協力も得ることで、サプライチェーンを意識した効果的かつ効率的なプロモーションとなった。主要消費地以外の新たな消費地の開拓と非ロイン系部位の理解向上に取り組み、消費の裾野を広げることが喫緊の課題で、米国各地での事業実施が引き続き求められる。

(注1)ロイン系部位(ヒレ、リブロース、サーロイン)以外の部位。1頭の牛から取れるロイン系部位は約14%だが、米国向け牛肉輸出の約8割がロイン系部位となっている。

(注2)ブリスケの塊を塩とコショウのシンプルなスパイスで10~15時間かけてスモークする調理法で、テキサス州などで好んで食される調理法。

(注3)ばら肉の一部で、繊維質で肉質は硬め。赤身と脂身はほぼ半々で、コラーゲンを豊富に含み、かむほどに濃厚なうまみが味わえる。

(冨樫達也)

(米国、日本)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください