ジェトロ、カイロで製造業ミッション実施、参加者「発展度合いに驚いた」（エジプト、日本）

ジェトロは1月21～23日、「エジプト製造業ミッション」を実施した。現地進出を検討するメーカーや製造業向けソリューションを提供する企業、商社など20社が参加した。

ミッション団は3日間にわたり、カイロ近郊の家電製造や食品製造、自動車組み立て、医薬品製造といった分野の地場企業や日系企業を訪問し、各社のビジネスについて説明を受けるとともに、製造現場や研究開発施設を視察した。1月22日にはカイロ市内でセミナー兼商談会を実施し、岩井文男・駐エジプト日本大使や、エジプト外務省アジア担当副大臣のアフマド・シャヒーン氏、スエズ運河経済特区庁（SCZONE）副長官のモハメド・アブデル・ガワド・アラム氏らが登壇した。商談会にはエジプト企業から60人が参加し、ミッション参加企業と積極的な商談を行った。

視察先の1つの地場大手の食品加工企業では、国内外市場向けの飲料製品の製造現場が紹介された。同工場では欧州など先進国市場に合わせた水準の品質管理が行われ、ロジスティクスも自動化されており、ミッションに参加した日本企業からは、「製造業の発展度合いに驚いた」」「工場管理水準が高い」などと、エジプトの製造セクターを有望視する声が寄せられた。また「現状や課題を把握し、今後求められる技術ノウハウを推察できた」「具体的なビジネス機会を検討する機会となった」といった感想が多数寄せられた。

外貨獲得手段の確保や雇用創出の観点から、エジプト政府は製造業分野の育成と投資誘致に力を入れている。エジプト中央銀行（CBE）によると、2023/2024年度（注）の製造業への対内直接投資（FDI）は前年度比24％減の約45億ドルで、全体の8％にとどまる。一方、2024年7月以降、シャープやベコ（トルコ）などの家電製造（2024年8月2日、9月26日記事参照）や、日産自動車、吉利汽車などの自動車組立工場（2024年12月11日、2025年1月23日記事参照）をはじめとする製造業分野で、工場開設や拡張が相次いで発表されている。

「エジプト製造業ミッション」セミナー兼商談会の様子（ジェトロ撮影）

ミッション団による企業視察（ジェトロ撮影）

（注）エジプトの会計年度は7月始まりで、2023/2024年度は2023年7月～2024年6月。

（塩川裕子）

（エジプト、日本）