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2025年の航空業界の純利益率は中東が最高、IATA予測(中東、湾岸協力会議(GCC)諸国、世界)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月27日 0時0分

国際航空運送協会(IATA)は12月10日、航空業界の国際的な展望に関する半期ごとの報告書を発表した。同報告書によると、2025年の世界の航空会社の業績は、コストの上昇とサプライチェーンの問題が影響を与えるものの、収益性はわずかに改善するとの予測だ。

世界での乗客1人当たりの平均純利益は、2024年に6.4ドルのところ、2025年に7.0ドルに上昇するとの見通しだ。地域別では中東が1人当たりの平均純利益が最も高く、2024年に23.1ドル、2025年には23.9ドルになるとしている。2025年の地域別の純利益率は、中東が8.2%で最も高い見通しで、欧州が4.4%、北米が4.2%と続く。湾岸協力会議(GCC)諸国の航空会社は、パレスチナ自治区ガザなどでの紛争の激化にもかかわらず、影響が少ないという。2025年の旅行者の需要も、中東では前年比9.5%増と高い伸びの見込みを示す。

2025年の業界全体の収益は前年比4.4%増の1兆70億ドルとなり、1兆ドルを超えるのは初めてとする。航空会社のコストの約3割を占める航空燃料は、原油価格の低下などにより、2022年の1バレル当たり139ドルから、2025年には同87ドルまで下落する見込みにより、収益改善の好材料となる。また、ロシア・ウクライナや中東での衝突が拡大した場合には収益は悪化し、和平に達した場合にはプラスの影響を与える可能性があるとした。

業界全体の貨物収益や貨物需要も増加の見込み

同報告によると、業界全体の貨物収益は2025年に1,570億ドル(総収益の15.6%)に達する。1キログラム当たりの貨物運賃は2025年に2.17ドルとなり、2024年より0.01ドル安くなる見込みだ。他方、スエズ運河を経由する海上輸送における地政学的不確実性の継続やアジア発の電子商取引の急成長などにより、航空貨物需要は増加するとしている(特集「地政学的影響を踏まえた中東・アフリカの物流動向」参照)。貨物需要は2024年には需要が前年比11.8%増で過去最高に達し、2025年の貨物需要も同6.0%増加して、パンデミック前の水準を大きく上回る見込みを示す。特に中東やアジアなどで拡大するという。

世界の航空旅客数も増加し、初の50億人台の見通し

2025年の世界の航空旅客数は前年比6.7%増の52億人となり、初めて50億人台に達する見通しだ。中東でも同9.5%増を見込む。なお、中東の旅客数のシェアは2023年時点では世界の5.5%だった。

なお、IATAの2024年4月時点の報告によると、2023年の旅客数は2019年と比較し、サウジアラビアが11%増、アラブ首長国連邦(UAE)が6%増、カタールが5%増だった(2024年4月12日記事参照)。

(井澤壌士)

(中東、湾岸協力会議(GCC)諸国、世界)

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