福建省、海南省と広西チワン族自治区、2024年上半期の経済指標を発表(中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月8日 0時10分
中国の福建省、海南省、広西チワン族自治区は、7月下旬にそれぞれ2024年上半期の主要経済指標を発表した。
2024年上半期の域内総生産(GRP)をみると、福建省は前年同期比5.6%増で、中国全体の実質GDP成長率(5.0%)を上回った。他方、海南省は3.1%増、広西チワン族自治区は3.6%増と、いずれも中国全体の水準を下回った(添付資料表参照)。
固定資産投資額は、福建省が前年同期比5.7%増(前年同期より3.9ポイント増)、海南省が6.4%増(4.0ポイント増)、広西チワン族自治区が8.1%減(13.0ポイント増)となった。
海南・広西の消費と貿易が伸び悩み
社会消費品小売額は、福建省が前年同期比5.0%増(0.8ポイント増)が微増となったものの、海南省は6.2%減(15.4ポイント減)、広西チワン族自治区は1.4%増(2.4ポイント減)と、いずれも前年同期より減少した。
貿易についても同様で、福建省が堅調な動きをみせる一方で、海南省、広西チワン族自治区は伸び悩んでいる。
福建省は貿易総額が前年同期比4.6%増(5.9ポイント増)の9,939億3,000万元(約21兆8,665億円、1元=約22円)、うち輸出総額は9.4%増(14.7ポイント増)、輸入総額は2.2%減(7.2ポイント減)だった。品目別にみると、電気機器の輸出額が10.1%増(0.7ポイント減)で、同省の輸出総額の43%を占めた。
海南省は、貿易総額が前年同期比13.8%増(12.6ポイント減)の1,304億4,000万元で、うち輸出額は19.6%増(25.5ポイント減)、輸入額は10.9%増(8.0ポイント減)となった。なお、離島免税消費金額(注)と離島免税消費人数はそれぞれ前年同期比で29.9%、10.0%減少した。海南省における免税消費の低迷の背景には、新型コロナウイルス感染拡大による出国制限の解除に伴って海外旅行での買い物が増えたことに加え、日本のように為替レートの変化により割安感がある周辺国が消費の人気を獲得していることなどが指摘されている(「新浪財経」7月17日)。
広西チワン族自治区は、貿易総額が前年同期比12.0%増(31.2ポイント減)の3,452億7,800万元で、うち輸出額は28.5%増(23.2ポイント減)、輸入額は3.6%減(30.9ポイント減)となった。輸出入先をみると、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定加盟国、ASEAN、南アメリカ共和国、アフリカは前年同期比で25.4%、26.7%、38.5%、12.5%といずれも2桁増だった。
(注)離島免税消費金額とは、航空機などで海南島を離れる(出国を除く)予定者(観光客のほか、海南省住民も含む)を対象に、免税品を販売している店舗の売上高。
(梁梓園)
(中国)
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