南アのラマポーザ大統領ら、習近平国家主席と会談(南アフリカ共和国、ザンビア、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月19日 10時0分
南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は9月2日、北京で4日から開催された第9回中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC、2024年9月17日記事参照)に先立ち、国賓として中国を公式訪問した。習近平国家主席と2国間会談を行い、2国間関係を戦略的パートナーシップに格上げし、今後の貿易拡大、安全保障など相互利益となる問題に共に取り組んでいくと表明した。
中国は南アの最大貿易相手国で両国間の貿易額は年々増加しているが、南アの貿易赤字が拡大している。この状況について、今回の会談でラマポーザ大統領は「南アフリカの貿易赤字を縮小し、貿易構造に対処したい」と述べた。南ア歳入庁(SARS)によれば、2023年の対中輸出は2,265億196万ランド(約1兆8,347億円、1ランド=約8.1円)だったのに対し、対中輸入は4,043億7,694万ランドで、1,778億7,498万ランドの貿易赤字を記録した。2013年当時の貿易赤字は約388億ランド(輸出は約1,157億ランド、輸入が約1,545億ランド)だったので、10年間で赤字額が約4.6倍にまで拡大している。グローバル・トレード・アトラスによると、南アは中国から主に携帯電話、電気蓄電池、パソコンおよび関連製品、電子部品などを輸入し、鉱物(鉄鉱石、クロム鉄鉱など)を輸出する。
会談後に発表された共同声明では、均衡のとれた貿易、双方向の投資を奨励・促進し、雇用創出と製造業の拡大、北斗衛星測位システムの適用、再エネを含むエネルギー分野で協力を拡大していくとした。また、両国の商工会議所は今後、新エネルギー投資会議を共催する予定だ。
そのほか、アフリカ南部諸国では、9月4日にはザンビアのハカインデ・ヒチレマ大統領が習国家主席と会談した。2024年は両国の国交樹立60周年にあたる。両国間で2023年に戦略的パートナーシップを締結しており、両首脳は、この1年、ビジネスや文化交流で積極的に活動を行ったと述べた。習国家主席は、ザンビアと政治的な信頼関係を深め、中国企業は新エネルギーを含む電力や水資源開発などの分野に積極的に関わり、ザンビアの工業化に貢献する用意があると述べた。現在、ザンビアは深刻な電力不足に見舞われており、発電所の追加建設の検討や代替電力へのコスト増などが発生している。
(堀内千浪)
(南アフリカ共和国、ザンビア、中国)
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