2023年のサブサハラ・アフリカの郷里送金受取額は前年比0.3%減の540億ドル(アフリカ、ナイジェリア、ケニア、ガーナ、ジンバブエ、セネガル、コンゴ民主共和国、ウガンダ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月3日 0時5分
世界銀行は6月26日、移民と開発に関する報告書「Migration and Development Brief」の中で、中・低所得国向けの郷里送金(推定値)は、2023年に前年比0.7%増の6,560億ドルに達したと発表した。2023年の郷里送金額は、対内直接投資(FDI)と政府開発援助(ODA)を上回ったという。
同報告書によると、サブサハラ・アフリカ全体では、540億ドルでの受取額で、前年から0.3%の微減となった。また、2024年には2023年から1.5%増加すると予測している。新型コロナ渦の影響を受けた2020年には減少したが、その後は増加傾向にある。こうした送金の受け入れは、食糧不安、干ばつ、サプライチェーンの混乱、洪水、債務問題に対処するアフリカ諸国の貴重な外貨収入源となり、経常収支を支えた。また、同地域の郷里送金額受け入れは、 FDI金額の約1.5倍となった。
サブサハラ・アフリカの郷里送金の推移と予測は次のとおり。
2019年:500億ドル
2020年:430億ドル
2021年:510億ドル
2022年:550億ドル
2023年:540億ドル(推計)
2024年:550億ドル(予測)
2025年:560億ドル(予測)
国別ではナイジェリア、ガーナ、ケニアの順
2023年の国別の郷里送金受取額は、インド、メキシコ、中国の順だった。サブサハラ・アフリカでは、ナイジェリアが中・低所得国では8位で、同地域のシェア35%を占める195億ドルだったが、前年比では2.9%減となった。ウガンダは15%増加した。サブサハラ・アフリカ地域の国別の2023年の郷里送金受取額の上位10カ国は次のとおり。
ナイジェリア:195億ドル
ガーナ:46億ドル
ケニア:42億ドル
ジンバブエ:31億ドル
セネガル:29億ドル
コンゴ民主共和国:14億ドル
ウガンダ:13億ドル
マリ:12億ドル
スーダン:10億ドル
南アフリカ共和国:10億ドル
外貨収入を送金に大きく依存している国には、ガンビア、レソト、コモロ、リベリア、カーボベルデなどがある。なお、中東・北アフリカにおける郷里送金の受入額は、エジプトが最高で195億ドル、次いでモロッコが118億ドルだった(2024年7月3日記事参照)。
また、サブサハラ・アフリカ地域へ200ドルを送金する際の手数料・コストは、平均7.9%かかる。特にタンザニアから、ケニア、ウガンダ、ルワンダへの送金コストが高い。
(井澤壌士)
(アフリカ、ナイジェリア、ケニア、ガーナ、ジンバブエ、セネガル、コンゴ民主共和国、ウガンダ)
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