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米大統領選、バイデン氏が撤退表明、全民主党知事がハリス副大統領を支持(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月23日 11時0分

米国のジョー・バイデン大統領は7月21日、11月の大統領選挙から撤退する意向を表明した。自身のX(旧Twitter)に、大統領候補者としての指名を受けず、残りの任期を大統領としての職務に全力を注ぐと投稿し、カマラ・ハリス副大統領を自身に代わる大統領候補者として支持すると述べた。

バイデン大統領は民主党の予備選挙を対立候補の事実上いない状態で圧勝し、3月には早々に党からの指名獲得を確実にしていた(2024年6月11日記事参照)。最終的には、代議員3,949人のうち99%近い3,904人を獲得した(CNN7月22日)。だが、6月に行われた1回目の大統領候補者による討論会で、高齢による職務遂行能力への懸念があらためて指摘され、大統領選から撤退すべきとの意見が民主党内部から出ていた(2024年7月1日記事参照)。バイデン大統領はその後、自身が候補者として適切だと繰り返し主張していたが(2024年7月16日記事参照)、今回、選挙戦から退くことが「党と国にとって最善だ」と決断した。撤退に至った詳細については、7月22日の週に伝えるという。

これを受けて、ハリス副大統領は7月21日、「大統領による支持を光栄に思う。(民主党の)指名を獲得し、勝ち取るつもりだ」とXに投稿した。同氏の立候補表明後、元下院議長のナンシー・ペロシ下院議員(カリフォルニア州)のほか、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事など民主党の現職知事23人全員がハリス氏支持を表明した。また、副大統領候補には、ケンタッキー州のアンディ・ベシア知事、イリノイ州のJ.B.プリツカー知事、ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事、ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事、ノースカロライナ州のロイ・クーパー知事、アリゾナ州のマーク・ケリー上院議員らの名前が挙がっている(議会専門誌「ザ・ヒル」7月21日)。

なお、民主党の大統領候補者指名に向けた予備選挙は既に終わっているため、今後の正式な指名プロセスには幾つかの選択肢が考えられる。「ワシントン・ポスト」紙電子版(7月21日)によると、一部の州では9月から期日前投票が始まるなど、大統領選挙本選まで時間がないことなどから、民主党の全国大会(8月19~22日)前にオンライン投票によって、正式にハリス氏を大統領候補として指名するとの見方もある。事前にハリス氏で確定できなかった場合は、全国大会で候補者が確定するまで、繰り返し投票が行われることになる。

予備選挙を通じてバイデン大統領が獲得した代議員は、必ずしもハリス氏を支持する必要はなく、ジム・クライバーン下院議員(サウスカロライナ州)など一部の民主党議員は、ハリス氏が正式に選ばれる前に「ミニ予備選」を実施すると強調している(政治専門紙「ザ・ヒル」7月21日)。ただし、知事らが既にハリス氏支持を表明したことや、上院選への立候補をしないと表明していたジョー・マンチン議員(ウエストバージニア州、注)が、大統領選挙に立候補しないとあらためて表明したことなどから、民主党内でハリス氏への対立候補が出てくる見込みは低いとみられる。

(注)マンチン議員は、5月に民主党から離党して無所属となった。ただし、基本的には民主党と投票行動をともにする民主党コーカスの一員として活動していた。

(赤平大寿)

(米国)

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