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頼清徳総統、双十節式典で演説、台湾海峡の平和と安定の現状維持を強調(台湾、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月21日 0時5分

台湾の頼清徳総統は1010日に開催された双十節の祝賀式典で、各国代表の表敬訪問に応じるとともに、スピーチを行った。総統府の発表によると、海外からはツバルのフェレティ・テオ首相、ベリーズのコーデル・ハイド副首相をはじめ、約140人の来賓が参加した。日本からは山東昭子前参議院議長が率いる超党派の議員団が参加した。

写真 スピーチする頼清徳総統(日本台湾交流協会提供)

スピーチする頼清徳総統(日本台湾交流協会提供)

演説のポイントは次のとおり。

(1)両岸関係および台湾海峡の平和と安定

中華民国はかつて国際社会から追放されたが、台湾の人々は一度も自分を追放したことはない。中華民国は既に台湾、澎湖、金門、馬祖に根を下ろしており、中華人民共和国とは互いに隷属しない。民主主義と自由はこの土地において成長・繁栄し、中華人民共和国に台湾を代表する権利はない。

台湾には、台湾海峡の平和と安定を維持し、世界の安全と繁栄を達成する決意がある。私たちは中国が台湾と共に国際的な責任を担い、地域と世界の平和、安全、反映に貢献することを望んでいる。より強力な民主主義の台湾は2,300万人の人々の理想であるだけでなく、国際社会の期待でもあると信じている。

(2)台湾経済

気候変動、感染症、社会全体の防衛強靱(きょうじん)化に対応するため総統府に3つの委員会を立ち上げた。気候変動に対処するため、「第2次エネルギー転換」(注1)を推進し、電力の供給を確保し、「2050ネットゼロ」目標の達成に向けて着実に邁進(まいしん)する。

半導体、AI(人工知能)、軍事、サイバーセキュリティー、次世代通信を対象とする「5大信頼産業」(2024年9月25日記事参照)をさらに発展させ、世界市場を開拓する。

(3)社会・内政

各世代へのケアを充実させる。子育て世代には、0歳から6歳までの子供に対する支援政策第2弾により託児所の補助を増額する。学生に対しては、高校や専門学校の授業料無償化を継続する。勤労世代に対しては、最低賃金の引き上げを継続して行う。高齢者に対しては、「長期介護10年計画3.0」を早期に実施し、慢性疾患の予防と治療計画を実施する。

台湾の団結と社会の安定のため、韓国瑜立法院長と卓栄泰行政委員長が与野党の連携を開始したことに感謝する(注2)。政党の利益が人民の利益より優先されることは決してない。

(注1)蔡英文前総統時代に推進してきた太陽光および洋上風力発電に加え、地熱や小型水力などより多くのグリーン電力を導入する方針。

(注2)国会に相当する立法院における第1党は野党・国民党となっており、「ねじれ」状態により与党・民進党が提案する次年度予算案の審議がすすまない状態が続いている。

(江田真由美)

(台湾、中国)

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