2023年民主主義指数、サブサハラ・アフリカは前年より低下(アフリカ、モーリシャス)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月1日 1時20分
英国「エコノミスト」誌の調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が2月15日に発表した「2023年民主主義指数」によると、サブサハラ・アフリカ地域の指数は前年比0.1ポイント減の4.04で、2006年に同指数の発表が始まって以来、最低のスコアとなった。指数が低下した大きな要因は軍事政権の国が増えたことだという。また、サブサハラ・アフリカ地域では特に「選挙過程と多元性」と「政府機能」の項目が世界平均を大きく下回った。
なお、世界の総合指数の平均は前年比0.06ポイント減の5.23、中東・北アフリカは前年比0.11ポイント減の3.23だった(2024年2月29日記事参照)。
同指数は167カ国・地域を対象に、選挙過程と多元性、政府機能、政治参加、政治文化、市民の自由度の5つに分類する60の指標でポイントを付けて、最低0から最高10の総合指数を出し、各国・地域の民主主義の状態をランク付けしている。総合指数が8を超える国は「完全な民主主義」と分類されるが、サブサハラ・アフリカで「完全な民主主義」の国はモーリシャスのみだった。経済規模の大きい国の指数をみると、南アフリカ共和国が47位、ケニアが92位、ナイジェリアが106位、エチオピアが114位だった。
サブサハラ・アフリカの世界順位の上位国は次のとおり。
20位:モーリシャス
33位:ボツワナ
35位:カーボベルデ
47位:南アフリカ共和国
57位:ナミビア
65位:ガーナ
71位:レソト
76位:マラウィ
78位:ザンビア
79位:リベリア
アフリカでは改善を見せる国も多いが、悪化した国もあった。前年と比べて世界で最も指数が改善した国はベナン。次いで、タンザニア、モンテネグロ(欧州)、アンゴラ、マルタ(欧州)、コンゴ民主共和国、ルワンダ、エチオピアと続き、トップ10にはアフリカ7カ国が入った。一方、前年と比べて世界で最も指数が低下したのは、クーデターが起こったニジェールで、次いで、同じくクーデターが起こったガボンだった。その後にはパキスタン(アジア)が続き、さらにシオラレオネ、スーダン、マリ、マダガスカルとアフリカ諸国が続いた。
なお、各国政府の腐敗認識指数ランキングで、サブサハラ・アフリカではセーシェル、カーボベルデ、ボツワナ、ルワンダ、モーリシャスの順でクリーン(汚職などが少ない)となっている(2024年2月15日記事参照)。
(井澤壌士)
(アフリカ、モーリシャス)
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