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タイ財務省、「炭素税」の役割の価格調整メカニズム導入へ(タイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月27日 0時35分

添付資料PDFファイル(90 KB)

タイ財務省(MOF)が提案した、カーボンプライシングメカニズムを導入するための省令が1月21日、閣議決定された。

今回の措置対象となるのは、(1)ガソリン、(2)ガソール、(3)灯油、(4)ジェット燃料、(5)ディーゼル燃料、(6)バイオディーゼル、(7)液化石油ガス(LPG)、(8)重油といった石油製品だ。それぞれの温室効果ガス(GHG)排出量に応じて、カーボン価格が算出される。元物品税局長のエクニティ・ニティタンプラパス氏の2024年10月1日の発言によると、このように算出されるカーボン価格は、従来の物品税の一部を置き換えるかたちで導入されるため、消費者が負担する税額の合計に変更はないとのこと。

炭素税の算出方法(添付資料図参照)について、例えば、ガソリン1リットル当たりのGHG排出係数は0.002237347トンで、タイ政府が設定したカーボン価格〔初期は1トン当たり200バーツ(約900円、1バーツ=約4.5円)〕と掛け合わせると、物品税の一部となるカーボン価格は1リットル当たり0.45バーツになる。 

タイ財務省物品税局によれば、現時点では「炭素税」はどの法令にも定義されていないため、「カーボンプライシングメカニズム(注1)」という位置付けだという。しかし、気候変動法が施行されれば、本メカニズムは「炭素税」に置き換えられるとみられている。

同制度の開始当初は、カーボン価格を1トン当たり200バーツとする。事業者や消費者に持続可能なエネルギー使用への転換を促すことにより、環境の持続可能性を重視している世界市場でタイ企業が競争力を高めるほか、計算式や排出係数は世界規模で認められるため、EUで導入されるCBAM(注2)の影響を軽減するための活用が期待されている。

(注1)カーボンプライシングとは、二酸化炭素(CO2)排出に対して価格付けし、市場メカニズムを通じて排出を抑制する仕組みのこと。

(注2)炭素国境調整メカニズム(CBAM)はCarbon Boarder Adjustment Mechanismの略で、国境措置として炭素価格を輸入品に課す制度の総称のこと。詳しくは、2023年8月31日付地域・分析レポートおよび2024年5月21日付地域・分析レポート参照。

(近添優子、コーチットメート・パラミー)

(タイ)

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