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在米企業の実質的所有者情報の報告義務が再度差し止め(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月7日 16時30分

米国の第5巡回区連邦控訴裁判所は2024年12月26日、大半の在米中小企業(以下、報告会社、注)を対象に財務省の金融犯罪取締ネットワーク局(FinCEN)への報告を義務付けた実質的所有者情報(BOI)の報告を差し止める命令を発した。

これを受けFinCENは2025年1月2日、BOIに関するウェブサイトに「Alert:Ongoing Litigation(警告:進行中の訴訟)」とし、次のことを最新情報として明示した。

報告会社は、最近出された連邦控訴裁の命令に従い、FinCENにBOIを報告することが求められず、命令が有効な間は法的責任も負わない。ただし、引き続きBOI情報を「自発的に(voluntarily)」提出することができる。

本報告義務は元々、企業を通じた国家安全保障を脅かす違法活動を取り締まるため、連邦レベルのルールとして2021年に制定された企業透明化法(CTA)に基づき2024年1月1日に発効した規則で、報告企業の大半は2025年1月1日までに、FinCENに対し、定められた情報を報告することが義務付けられていた(2024年11月5日付地域・分析レポート参照)。これに対し、義務の差し止めを巡り、司法側の判断が次のとおり二転三転した。

1. 2024年12月3日、テキサス州東部地区連邦地方裁判所が、CTAとBOI報告義務の差し止め、BOI報告期限の延期を命令。この判決に対し、司法省は12月5日、FinCENの代理で第5巡回区連邦控訴裁に控訴状を提出した(2024年12月19日記事参照)。
2. 12月23日、第5巡回区連邦控訴裁が、上記1.の命令を停止。報告企業の大半は、新しく設定された期限までの報告義務を再度負うことになった(2024年12月26日記事参照)。
3. 12月26日、第5巡回区連邦控訴裁が、冒頭に記載した、報告義務の再度停止を命令。

状況は流動的なため、まだ報告を済ませていない報告会社は、報告の準備・検討を継続し、今後の状況を注視する態勢を整えることが推奨される。

(注)既に個別法で企業情報の報告義務が課されている業種を除いた企業が対象で、中小企業の大半は義務の対象になるとみられる。

(本井秀樹)

(米国)

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