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新食品開発のリスク軽減、ヌラサのイノベーション・センター(シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月21日 0時25分

新規食品技術の開発を官民連携で支援するシンガポールのヌラサ(Nurasa)のシューリン・グオ最高経営責任者(CEO)は1月15日、ジェトロとのインタビューで、「多額の資本投資を必要とする向こう10年の新たなフードテックのイノベーション」に特化して支援するとの方針を示した。グオCEOは、日系企業は新規食品開発とともに、「国際展開の拠点としてヌラサを活用してほしい」と語った。

ヌラサは2021年、政府系投資会社テマセク・ホールディングスの完全子会社として設立された。同社は2024年4月、バイオメディカル関連の研究施設が集積するバイオポリスに、「ヌラサ・フードテック・イノベーション・センター(FTIC、床面積:3,840平方メートル)」を正式に開設した。同センターの中には、食品庁(SFA)が認可したパイロット工場、時間単位で使用可能な研究施設、調理場、オフィスやイベントスペースがある。

写真 ヌラサ・フードテック・イノベーション・センター(ヌラサ提供)

ヌラサ・フードテック・イノベーション・センター(ヌラサ提供)

グオCEOはFTICが、「地域で大量生産をする前段階の、研究段階のイノベーションから、小規模の商業生産までのギャップを埋める」施設だと説明した。同センターは現在、科学技術庁(Aスター)傘下の食品・バイオテクノロジー・イノベーション研究所(SIFBI)と、植物由来代替たんぱく質食品を加工する高水分押し出し成型機を備えた共同ラボを設置している。また、米国大手穀物会社ADMとヌラサの合弁会社スケールアップ・バイオ(ScaleUp Bio)による100リットルのバイオリアクターがある精密発酵食品の開発ができる施設もある。ヌラサは現在、施設で導入可能な調理家電の提携先を探しているという。

内外スタートアップのほか、東洋製罐など大手企業も入居

FTICには現在、シンガポールのアリウム・バイオ(Allium Bio)や、オーストラリアのプリファー(Prefer)やヌーリッシュ・イングリーディエンツ(Nourish Ingredients)など、内外のフードテック分野のスタートアップが入居する。このほか、東洋製罐グループホールディングス(本社:東京品川区)、スイスの香料メーカーのジボダン(Givaudan)など大手企業も入居する。グオCEOは「企業がわれわれのプラットフォームを活用することで、初期段階のイノベーションのリスクを軽減し、市場投入までの期間を短縮できる」と強調した。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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