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バイデン米政権、イランの無人航空機を対象に制裁(米国、英国、カナダ、イスラエル、イラン、ロシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月1日 14時15分

米国のバイデン政権は4月25日、イランによるロシアへの支援やイスラエルに対する攻撃を受け、イラン製の無人航空機(UAV)の開発や販売などに関与したとされる事業体や個人に対する制裁を発表した。

具体的には、財務省外国資産管理局(OFAC)がイランなどの外国事業体16社、個人8人、船舶5隻、航空機1機を金融制裁の対象である「特別指定国民(SDN)」に指定した。このうち、イラン国防軍需省(MODAFL)関連会社のサハラサンダー(Sahara Thunder)およびその経営幹部は、UAVの設計・開発・製造に関与したほか、ウクライナへの侵攻を続けるロシアに対してUAVを販売するなど、MODAFLを資金・物資・技術面で支援したなどとの理由に基づく。併せて、サハラサンダーの国際物流ネットワークを構成するインドやアラブ首長国連邦(UAE)の企業やそれらが所有する船舶もSDNに指定された。また、イランの貨物航空会社プーヤエアー(Pouya Air)と同社が所有する機材や、UAVや関連部品を生産するイランのボニヤン・ダネシュ・シャルグ(Bonyan Danesh Shargh)とその経営幹部が、UAVの運搬や開発などを通じてイラン・イスラム革命防衛隊(IRGC)の活動を支援したなどとの理由に基づき、SDNに指定された。SDNに指定された事業体・個人には、在米資産の凍結や、米国人(注1)との資金・物品・サービスの取引禁止が科される(注2)。

英国とカナダも制裁を発表

英国外務・英連邦・開発省も同日、イランのUAV製造に関与したとして、企業4社と個人2人に対して金融制裁を科すほか、ミサイルやUAVの製造に使用される部品の輸出管理の強化を発表した。カナダのグローバル連携省も同日、イラン国軍など2団体とその幹部2人に対して追加制裁を科すと発表している。

イランは4月13日以降、イスラエルに対して無人航空機(UAV)などによる攻撃(2024年4月15日記事参照)を行った。これを受けて米英両国が4月18日に、イランに対する金融制裁や輸出管理強化などの制裁を発表していた(米国側:2024年4月19日記事参照、英国側:2024年4月26日記事参照)。

(注1)米国市民、米国永住者、米国の法律に基づく、もしくは司法権が及ぶ域内に存在する法人(外国支所も含む)、もしくは米国内に存在するあらゆる個人を指す。

(注2)SDNが直接または間接的に50%以上所有する事業体も当該制裁の対象となる。SDN指定を今回受けた事業体・個人の詳細はOFACのウェブサイトで確認できる。このほか、制裁対象の事業体・個人などについては、OFACのデータベースでCountry欄のIranを選択し、Searchをクリックすると確認可能。

(葛西泰介)

(米国、英国、カナダ、イスラエル、イラン、ロシア)

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